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ディストーション(1) : メイキングセンス。by 中山慶太

ディストーション(1)

2009-05-08 | 東京レトロフォーカス別室

''graffiti girl''  Asahi Pentax ESII / Takumar35mmF3.5 / RealaACE

''graffiti girl'' Natura-S / SuperEBC Fujinon 24mmF1.9 / RealaACE / (C) Keita NAKAYAMA

これはもうずいぶん前のことだけれど、片方の眼にちょっとした病を得た。

眼科系の疾患といえば「ものもらい」が定番だ。いただける物はなんでも頂戴します、というあさましい性格の僕は子供のころによくそれを貰って、眼帯小僧などと呼ばれていた。でも長じて罹った病は、そういう周辺機器のトラブルではなく、視覚システムの中枢にあたる眼球の故障である。
症状はといえば、右目の視野の真ん中の像が歪むというもの。真っ直ぐなはずの線がそこだけ曲がって見える。まあ直線的な物体を凝視しなければ気にもならないし、正常な左目との合成視野はわりあい普通だったので、読書や原稿書きにもそれほど支障はなかった。ただひとつ、利き目で覗くカメラのファインダー像だけはどうにも気持ちが悪くて困った。
ネットで調べると眼球内にできた気泡が原因とかで、「通常は二カ月くらいで完治」とある。患者は凡人なので「通常」のカテゴリーに入るだろうと、医者にもかからず放置しておいたのだけど、システムの完全復旧には一年くらいを要したと思う。

それが原因で、ということはないのだが、僕はモノが歪んで写った写真が嫌いである。そういう写真をつくる犯人は、真っ直ぐなものを歪んで写すレンズ。つまりディストーションの大きいレンズだ。

ディストーションは光学の分野で「歪曲収差」と呼ばれる。言葉に馴染みのない方のために書いておくと、「収差」というのは光が設計の理想値から外れることによって起きる、一種の歪みである。
ところで日本語の問題として、「歪み」には二種類の読みがあって、おんなじ字面でも「ひずみ」と読むのか「ゆがみ」と読ませるのか、ルビを振らないと分からなかったりする。ひずみは主に物質および信号系の、ゆがみは図形または精神面の問題であることが多いので、ふつうは前後の脈絡から判断できるのだけど、たまに正解が分からず悶々とすることもある。そういうときは心が歪むなあ、ってこの読みはどっちだっ。

制作協力:クニトウマユミ

▲写真「グラフィティ・ガール」:歪みの少ないレンズはどんな場合も安心して使える。画面左の歪曲は壁の湾曲。

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