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docomo Pro Series L-03C(7) : メイキングセンス。by 中山慶太

docomo Pro Series L-03C(7)

2011-02-28 | 東京レトロフォーカス別室

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 /  11.2mm F4.2 1/80sec. ISO640  / (C)  Keita NAKAYAMA

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 11.2mm F4.2 1/80sec. ISO640 / (C) Keita NAKAYAMA

趣味の写真には、つねにふたつの側面がある。創作行為を愉しむことと、道具をいじり倒して遊ぶこと。
もちろん、どちらか一方が正しく、他方が間違いということはない。敢えて言えば、どちらにも純粋さと不純さがある。だからたいせつなのは、自分が今どちらの側にいるかを自覚することだ。
そういう「開き直り」はべつだん悪くない。駄目なのは、自分のなかで思い違いをすることである。

創作行為はカメラを使う側だけのものではない。カメラの設計に携わる方々も、立派に創造的な行為をしている。いやむしろ、僕みたいに半端な写真を撮る人間よりも、ずっとクリエイティブな行為に関わっていると言えるはずだ。
そしてそういう方々の仕事ぶりを拝見するのも、カメラ趣味の大きな愉しみのひとつだと思う。

L-03Cについては、前にも書いたように、これは日韓合作の賜物である。モバイル端末としてのプラットフォームはLGエレクトロニクスが、カメラモジュールは三洋電機が、そしてレンズはペンタックスが手がけている。それをとりまとめたのはドコモ。それぞれの分担は必ずしも明らかではないけれど、こういうコラボレーションはこれからますます増えていくはずだし、歓迎したいところだ。

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 /  11.2mm F4.2 1/80sec. ISO640  / (C)  Keita NAKAYAMA

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 11.2mm F4.2 1/80sec. ISO640 / (C) Keita NAKAYAMA

あいにくとカメラの中身を見ることは叶わず(L-03Cの筐体は三つ又の特殊ネジで封印されている)、またバラしてみたところで正しく検証する知識も、もういちど組み立てる技術もない。僕にできるのは外から観察することだけ。ただしその範囲内でも、いろいろ見えてくるところはある。
まず、ボディ外装は基本的に三種類の素材でつくられている。前後のパネルはアルミ系の金属で、ブラックボディでは表面の梨地ともども着色アルマイト仕上げ。シルバー(シャンパーニュ)仕上げはじっくり観察していないが、たぶん全面塗装だろう。

このパネルを上下に挟むトップ/ボトムカバーは高強度の樹脂(エンジニアリング・プラスチック)製。この部分はブラックが素材色、シルバーは塗装と思うが、素材色といっても単純な黒ではなく、細かいフレークが入っている。前後パネルと質感を合わせるためだろう。レンズ外周の飾り環と操作ボタン類もおなじ素材で、なかなか芸が細かい。
グリップ部分は合成ゴム。レザーを模したシボ模様をモールドで刻んでいる。好みの問題だが、この素材とシボはもうすこし質感が欲しい。また本物の皮革素材でこういう造形は不可能なのだから、もっと違う処理にしても良かったのでは。

ボタンなどの操作部材は合計10個。うちカメラ操作で触れるのは8個のみ。デジタル機だけでなく、フィルムカメラを含めても少ない部類だ。このシンプル化はタッチパネルの採用と、機能の整理により実現したもの。現状では功罪相半ばする面もあるにせよ、カメラのUI(ユーザインターフェイス)としては最先端に位置するものだ。
細かい点だが、各操作ボタンは周囲にディンプル(ゴルフボール表面のような窪み)が刻まれ、ボタンの突起をなるべく低く、携行時の誤操作を防止する工夫がなされている。ボタンもディンプルも曲面はひじょうに滑らかだ。
こうした造形を支えているのは、ボディ外装の高い工作精度と丁寧な金型処理。CNCだけに頼っていては、こういう造作は不可能のはずで、もし韓国製の金型であるなら、恐るべき成熟ぶりである。日本もうかうかしていられない。

(C)  Keita NAKAYAMA

(C) Keita NAKAYAMA

しかし、とはいえ。いやだからこそ、やはり残念なのが、例の「GR似」のデザインだ。
まあ実機を並べれば明らかに違う(GR Digitalはボディの厚さが目につく)カタチだし、レンズの位置やストロボの置き方も、考えようによってはL-03Cの方が「理にかなっている」。
ただし、工業デザインの価値を決めるのは細部の造作ではなく、「ぱっと見」に表れるコンセプトである。その部分にオリジナリティという名の創造性を欠いた製品は、やはり趣味の道具として純粋ではない。というか、趣味の道具好きとしては大いに賛同しかねるのだった。

(この項続く)

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▲photo01:お約束の逆光ハレハレ画像。太陽は画面内(イメージサークル内)よりも高い位置にあるのだが、やはりコントラストは低く、フィルムカメラのオールドレンズ風描写である。といっても、デジタル機としてはごくごく標準的、というよりかなり立派といえるレベルで、これはレンズの構成枚数が少ない(=反射面も少ない)ことと、コーティングの性能が高いことの証左だろう。背景のボケに頼れないコンデジの場合、ハレーションも絵づくりに有効なので、この性能はありがたい。フルサイズ換算約62ミリの準望遠域で撮影。

▲photo02:上とまったくおなじ設定で撮ったバリエーション。光源との相対的な位置関係がわずかに変わっただけで、白飛びとの境い目にマゼンタが乗ってくる。これはおそらく光学系、つまりレンズコーティングの性質に因るもの。ただしここから光源と画面を近づけていくと、液晶モニタにスミアが発生する。てっきりCCD特有の性質による瑕疵と思ったのだが、モニタ側の問題のようだ(詳しくは後述)。

▲photo03:音楽を聴きながら写真を撮る。じっさいに「撮りながら聴く」のは無理にせよ、これは現実逃避には最高の道具である。L-03Cの底面に設けられたポートはmicroUSB。バッテリーへの給電とデータ通信、そして音声出力の一穴三役を兼ねている。MP3プレーヤーとしての操作感や音質はまだ検証中。写真のヘッドフォンはいかにもアンバランスな組み合わせだが、見た目に違和感はあまりなく、カメラボディの質感はひじょうに高い。それにひきかえ、純正ストラップのチープなこと。こういう製品は付属品もちゃんとして欲しい。

制作協力:脊山麻理子

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