docomo Pro Series L-03C(12)

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/125sec. ISO64 / (C) Keita NAKAYAMA
フル充電の電池を4時間で使い切った。
間違いのない書き方をすると、使い切ったのではなく「カメラとして機能しなくなるところまで使った」のだ。普通のカメラなら、その時点でバッグの重しになるのだが、ドコモL-03Cの場合は「電話やメール機能がまだ生きている」。便利というか、正しい順番で不便になるというか。
さて、気になるのはその4時間で何枚撮ったか、ということだろう。帰宅後パソコンに転送した画像データはぜんぶで271枚。すべて最大サイズ・最高画質で記録、約一割でストロボを発光させている。撮影の合間に消去したカットは十枚程度だ。
ちなみに端末は省電力モードに設定し、アガリの確認もなるべく短時間で済ませた。撮影中の電話は短めの音声通話が数回、メールも受け取った5通ぜんぶに返信している。
デジタルカメラの撮影可能カット数というのは、なかなか定量的につかみにくいものだ。いちおうの目安として「CIPA規格に沿ったデータ」が用いられるけれど、L-03Cは非公開。ただし本機の実用カット数は、上の数字でだいたい分かる。普通のひとが普通の写真散策に出かけて、途中でガス欠になることはまずないだろう。
参考までに書いておくと、このカメラのバッテリー容量は1200mAh。これは1200ミリアンペアの電流を1時間連続で取り出せる、ということらしい。それでは意味不明っぽいので調べてみると、ケータイとしてはかなり大きめの電池容量だが、コンデジとしてはごく普通のスペックだ。
よく似た外観のリコーGR Digitalもほぼ同等の電池を積んでいて、まあこのボディサイズならこれくらいが標準、かと思うとL-03Cはボディが薄い。カメラ内部の密度はその分高くなっているはずで、ここはLGの(三洋の?)設計を褒めてもいいと思う。

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/80sec. ISO64 / (C) Keita NAKAYAMA
電池容量が同等なら、撮影枚数も大差がない。そう思いたいところだが、L-03Cには特殊事情がある。電源オフで電力消費をゼロにできる(実際は内蔵クロックなどでごく僅かに消費している)普通のカメラと違って、こちらには「切るに切れない」ケータイ機能が付いているのだ。
ケータイは待受状態でも電波を出している。最寄りの基地局との接続を確保しておくためだ。ロケ撮影などで移動が多いときなど、端末は基地局探しで忙しく、電気も余分に食うだろう。FOMA端末も初期のころにくらべれば小食になったものだけど、通話とメールに限ったとしても、充電なしで使えるのは三日かそこら。写真を撮らなくても、電池は確実に減っていく。
しかも撮影の合間に長電話したり、お茶しながらネットに接続したりすれば、その分だけ撮影枚数にしわ寄せが来る。どの程度しわが寄るのか見えにくいところが、「複合機」のむつかしいところで、もっと詳細な残量情報(撮影可能枚数と関連づけるとか)が欲しい。電池マーク三分割のグラフ表示は、やはりアバウトに過ぎるだろう。
ともあれ、本機のカメラ機能を本気で使うつもりなら、外出前のチャージは必須といえる。
ところでこの日の撮影枚数は、36枚撮りフィルムだと8本弱になる。約4時間ほどの消費量としては、趣味の撮影なら多め、仕事の撮影では明らかに少なめ。現像所に渡す袋を見て、立ち会いの営業さんが不安顔になるはずだ。
まあフィルムで仕事をしていた頃は、万一の「押さえ」や露出バラシなどで無駄なカットも多かったのだが、僕はデジタルでもフィルムでも、消費ペースにあまり変化がない。人物撮影が主体だと、記録メディアや電池容量よりも、撮る側と撮られる側の集中力で総カット数が決まると、たぶんそういうことだと思う。
電池の話はもう少し続きを書こう。
(この項続く)
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▲photo01:人物撮影を中断している間に探したロケ場所で。光は直射光に近く、落ち葉や枝などのエッジには強めの輪郭強調がかかる。情景を静物的に撮る場合は、その強調がひどく目障りなのだけど、人物が入るとさほど気にならない。顔の白飛び部分はトーンジャンプが目立ったため、後処理でスムーズにつなげている。
フルサイズ換算約35ミリの広角端で撮影。普通はもっと「長い玉」が好まれる条件だが、僕は被写体との間合いをつめて撮る方が好きだ。
▲photo02:こちらは弱めの木漏れ日が射す位置を探して撮影。画面全体のコントラストが低くなる条件を選んでいる。光の条件でこれだけ調子が変わるのだから、写真は面白い? いや、僕らには「道具を選ぶ前にやらなければいけないこと」がたくさんあるのだ。
深い被写界深度はコンデジサイズのイメージャ搭載機に共通した問題だが、撮影距離と画面構成でなるべく自然な奥行きが出るよう工夫した。両手を伸ばした高い位置でカメラを保持し、表情は目で追いながらレリーズしている。フィルムカメラでは「ノーファインダー撮影」になるところ、液晶は斜め位置からでも構図を読み取れて有り難い。今更なにを、という感じだが。
フルサイズ換算約35ミリの広角端で撮影。
制作協力:クニトウマユミ
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