docomo Pro Series L-03C(16)

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/45sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA
カメラの液晶パネルに「プチプチの痕」が見える。
いや、正しくは梱包用のエアキャップだが、べつだんそれで包むのが趣味というわけではない。ぷちぷち潰す習慣は、いぜんにちょっとあったけど。
なにかといえば、メール入力でタッチした指の痕だ。これがパネルに整然と並ぶと、エアキャップに見える。
我ながら妙なカメラを使っているなあ、と思いながら、画面を掃除する。
ドコモL-03Cの「ウリ」のひとつが、そのタッチパネル式ディスプレイ。これはiPhoneでおなじみのもので、操作ボタンをソフトキー化して、画面上に割り当てる機能だ。そのお陰でL-03Cは画面外の操作ボタン(ハードキー)がひじょうに少ない。
さいきんは同様のインターフェイスを採用したカメラも増えており、これは一過性のトレンドというより、近未来を先取りした操作系だろう。
「先取り」といえばススんだイメージだが、良い面ばかりではない。機能が練り上げられないまま、つまり未完成の状態で提供される場合もある。じっと熟成を待つか、覚悟を決めて人柱になるか、ユーザーはどちらかの選択を迫られるわけだ。
L-03Cのタッチパネルでいちばん困るのは、文字入力のキーが小さくてメールが打ちづらいこと。でもそれはこの連載のテーマから外れるし、完全な解決にはパネルを大型化するしかない(と思う)ので、ここで責めるのは止めておく。
ちなみに液晶パネル自体は3型で、サイズは標準的というか、デジイチの高級機と同等。見えも悪くない。
カメラ撮影では、機能とパラメータの選択が、ほぼすべてタッチパネルでの入力となる。ソフトキーは大型のアイコンで表示されるため、カメラに不慣れなひとでも迷わず選択できて、ここはポイントが高い。これに慣れると他のカメラやケータイが不便、とまでいかずとも、けっこう古臭く感じる。って古臭いカメラばかり使ってる僕が言うことじゃ、ないか。
いっぽう「こなれていない」と感じるのは、キーの配列。アクセス頻度の高い順に並んでいないし、不要なものもある。でもそれはユーザーの嗜好とか属性で変わってくるので、安易な駄目出しは禁物だ。僕も自分の撮り方がフツーだとは、口が裂けても言えないし。
ただし静電容量式タッチパネルのレスポンスに問題がある(反応しない場合も多い)のは、僕の指先の問題だけではなさそうだ。

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 9.4mm F3.8 1/15sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA
よく分からないのが「タッチフォーカス」。ピントを合わせたいところを指でタッチ、指を離せばレリーズできる機能だ。いっけん便利そうだけど、人物でも猫でも、顔や目を指先で隠したらレリーズのタイミングがつかめなくなる。
思うにこれはテーブルに出された料理を撮るとか、そういうメモ代わりの記録向きの機能だろう。または「タッチパネルありき」のギミックか。まあカメラがカメラだから、賑やかしも必要に違いない。
と、いろいろ突っ込みどころはあるとしても、L-03Cの指で触れるインターフェイス、僕はけっこう好きだし、評価もしている。でも、どうにも困っていて改善して欲しい点がひとつある。それはオート専用カメラの必須機能「露出補正」だ。
(この項続く)
*******************
▲photo01:川面からの風が抜ける薄暮の桟橋で。これは深い被写界深度で画面をまとめるため、画面の奥行き(前後の距離差)を切り詰めて撮った。こういう絵づくりをすれば、フルサイズの広角でもコンデジでも、奥行き感に大差はない。またモデルのマユミさんのもうひとつの顔である「舞台女優」のイメージも重ねている。
背景の小物はデッキに置かれていた舫綱。動かすことはできるのだが、僕はなるべくその場にあるものをそのまま撮ることにしている。
カメラは例によって頭上の高い位置で保持。低い位置で構えるとパンフォーカス効果で背景が煩雑になる。フルサイズ換算約35ミリの広角端で撮影。レンズの歪曲がちょっと気になる。
▲photo02:上の画像のバリエーション。こちらはフルサイズ換算約52ミリの標準域で、パースを殺して舞台感を強調して撮ったもの。歪曲はまだわずかに残っている。人物の収まりを調整するため、踏み台を探して撮影距離を稼いだ。撮影時刻は前の写真の7分後。環境光が減った分、シャッタースピードが一段半遅くなっている。ISO200ではそろそろ手持ちの限界。それ以上感度を上げたくなかったので、この日の撮影はここで終了。
制作協力:クニトウマユミ
Links to articles on this site ”L-03C”.
|1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|13|14|15|
|16|17|18|19|20|
Trackback URL