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docomo Pro Series L-03C(17) : メイキングセンス。by 中山慶太

docomo Pro Series L-03C(17)

2011-06-10 | 東京レトロフォーカス別室

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 /  9.4mm F3.8 1/25sec. ISO200  / (C)  Keita NAKAYAMA

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 9.4mm F3.8 1/25sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

コンセプトとは、翻訳しづらい単語である。
「概念」の語をあてるのが一般的だけど、いまいちニュアンスが伝わらない。その「ニュアンス」にしても、適当な訳語が見当たらない単語なのだが、簡潔な置き換えができないということは、そういう表現をもちいる日常が、開国以前の日本になかったのだ。
いやそれとも、福沢諭吉先生が翻訳を忘れただけだろうか。

ドコモL-03Cのコンセプトは「ケータイとコンデジのハイブリッド」。実機はほとんど「コンデジの隙き間にケータイを詰め込んだ」みたいに見えるけれど、それはプリウスのエンジンとモーターの関係に近い。クルマをコンパクトにまとめようとするほど、内燃機関の空間占有率が高くなるのといっしょで、真っ当なカメラは場所を取るのだ。

中身の比率はさておき、機能の面ではケータイとコンデジのどちらが主でどちらが従か。これはユーザーの使い方次第である。ただしハイブリッド化のために切り捨てられた機能は、カメラ側よりケータイ側の方がずっと多い。
つまりL-03Cの本質は「通話もメールもできるコンデジ」。こういう思い切りの良さ、逆転の発想はメイドインジャパンに欠けているところで、たぶん韓国には「コンセプト」の適切な訳語が存在するのだろう。

そのカメラ部分のコンセプトはどんなものかというと、これは日常でのスナップ撮影を主眼に置いていると見ていい。そのための露出オート専用機、そのための三脚穴非装備。そういうことではないか。
もうすこし突っ込んだ憶測をすると、L-03Cは写真ビギナー向けというより、ある程度経験のあるひとの普段持ちカメラを狙っている。アートフィルターのような「遊べる機能」が、ほとんど搭載されていないのは、画像処理エンジンの制約もあるはずだが、それだけではないと思う。

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 /  9.4mm F3.8 1/25sec. ISO200  / (C)  Keita NAKAYAMA

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 9.4mm F3.8 1/25sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

こうした機能の整理は、コンセプトに照らせば筋が通ったものだけど、カメラとして自己矛盾につながるところもある。セルフタイマーがあるのに三脚が使えないのは、まあ笑って済ませられる程度のこととして、露出オート専用機で露出補正が使いにくいのは、ちょっと笑えない。
なぜって、それでシャッターチャンスを逃したら、カメラとしての資質に疑問符がつくことになる。スナップシューターにとって露出補正のかけやすさというのは、それくらい大切なことなのだ。

以前にも書いたように、露出を補正する機能そのものはちゃんとしている。補正幅はプラスマイナス2EV、調整は1/3EVステップで行えるから、後処理を前提とすればこれで必要充分。上級機のような白飛び警告はないものの、画面上にヒストグラム表示が出せるので、微妙な露出の決定もむつかしくない。
プログラム露出の「出た目」も安定しているし、測光モードもスポットと中央重点とマルチパターンの三種類が選べるので、露出補正が必要な場合はきちんと結果に反映できる。問題があるのはインターフェイスだ。

(この項続く)

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▲photo01:露出決定がむつかしい条件。カメラ任せで撮れば背後の白壁に引っ張られて露出アンダーになりやすい。顔の露出を基準にするとハイライト部が白飛びするだろう。後処理を前提にするならマイナスの露出補正をかけるのが安全だが、補正をかけすぎると黒潰れの面積が増える。
風景や静物を撮る場合は「とりあえず一枚」撮って、モニター画面を確認しながら補正値を決めるのが無難。ただし人物では、おなじ仕草や表情は二度と撮れないと思った方がいい。ではどうするか。

▲photo02:上の画像に後処理でおよそプラス1EVの補正をかけたもの。カメラ側でおなじ露出を出した場合と違い、白飛びが少なく、またハイライト側のグラデーションを綺麗に出せる。コントラストが高めになるポジフィルムやデジタル撮影では有効なやり方で、露出の失敗を防ぐため常時アンダー目の補正をかけているひともいる。
ではこのやり方がベストかといえば、そう言い切れないのが写真のむつかしいところ。白飛びや黒潰れが画面に良い効果を与える場合もあるし、そもそも露出とは「絶対の正解が無い」ものなのだ。
この二枚の画像も一般的に好まれるのは下の方だと思うが、僕は上の雰囲気が好きである。

制作協力:脊山麻理子

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