docomo Pro Series L-03C(19)
気がつけば、前回の更新からほぼ1年が過ぎていた。
この機種に飽きてしまったわけではない。今も毎日持ち歩いて、いろんな場所で写真を撮っている。トータルのショット数はちょっと分からない(パソコンに転送する前に消してしまうことが多い)けれど、僕がこれまで所有したカメラのなかでは、たぶん5番目くらいになっていると思う。
メカニカルなシャッターや絞り、それにクイックリターンミラーなどの可動部を一切持たないカメラだから、どれだけショット数を重ねようと、機械的な劣化はまずない。それは安心の元ではあるのだが、やはりいくつか不具合は出て来ている。
まずレリーズボタン外周のリング。これはおもにレンズのズーミングで使うレバーなのだが、ちょっと効きが悪くなった。時折まったく反応しないこともある。リングの手応えそのものは変わっていないので、アクチュエーターを動かす信号がどこかで迷子になっているのだろう。
画像品質もちょっぴり低下した。逆光でのハレが大きくなったし、望遠側で所々にムラが出る。これは青空などでちょっと目立つ。どうやらレンズに塵が入ったようだ。L-03Cのレンズは光学ズームで、カメラ機能を使わないときは完全に沈胴する。伸縮動作はとてもスムーズなのだが、鏡胴の間にわずかな隙き間があり、そこから微細なゴミが入るようだ。
修理に出すしかないが、たぶん分解清掃ではなくユニット交換になるはずだ。修理してもいずれおなじ症状がでると思う。常にポケットに入れて持ち歩くケータイカメラならではのトラブルである。ポケットの中にはビスケットがひとつ、ではなく、実際は埃だらけなのだ。
小さな問題はあるにせよ、このカメラの成り立ちを考えれば、どれも許せる範囲ではある。
▲photo01:快晴の路上スナップは意外にハードルが高い。液晶での露出確認が難しく、補正値をカンで決めてもレリーズタイムラグの問題があるからだ。これは何枚か撮らせていただいたうちの成功例。露出は背後の壁面の白飛びをギリギリで避けるよう補正を入れた。壁の直線で目立つエッジ強調と樽型ディストーションも後処理で修正している。
4月のお花見日和に、都内の公園で。
▲photo02:望遠でパースを弱めて撮影。手ブレは避けたかったのでシャッタースピードに充分な余裕が出るよう撮影感度を決めた。ISO400までなら画質もほぼ変わらない。高過ぎるコントラストも時として佳い効果を生む。
▲photo03:白壁としかめっ面の箒。こういう条件でのコントラストは以前より明らかに低下している(たぶんレンズに入った塵の影響)。ハレっぽい画質を好む人が増えているとしても、撮る写真すべてがこういうトーンだと困るだろう。コントラストは「高くても低くても文句を言われる」ものである。いろんな意見を聞かされて、エンジニア諸氏も大変だと思うが、このカメラにはなるべく中庸な画質を望みたい。これも望遠で撮っている。
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