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Olympus PEN E-P1 (6) : メイキングセンス。by 中山慶太

Olympus PEN E-P1 (6)

2009-11-19 | 東京レトロフォーカス別室

Olympus PEN E-P1 / Summaron 35mmF2 / F3.5 1/1600sec. / ISO200 / (C)  Keita NAKAYAMA

Olympus PEN E-P1 / Summaron 35mmF2 / F3.5 1/1600sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

1カ月以上も中断している間に、ペンはバリエーションを拡大していた。噂どおりというか、ペンの本の取材時に開発チームが公言していた通りの「外付けEVF対応」が果たされたのだが、この矢継ぎ早の機種追加に悔しい思いをしたオーナーも多いのではないか。
まあそれは激しい開発競争の表れでもあるし、また市場でのマイクロフォーサーズ人気を裏付けることでもあるのだろう。

さて、中断している間に僕はパナソニックのマイクロフォーサーズ機を使っていた。そちらもE-P1に劣らぬ出来で、部分的には凌駕しているところもある。カメラが機械製品から電気製品へと移行していく昨今、パナソニックのようなエレクトロニクス屋さんは侮れない。
でもオリンパスにはカメラ屋さんならではの優位性もたくさんある。特に歴史と伝統あるペンのようなブランドを持つところは、新規参入組がどうしても敵わない部分だろう。

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E-P1はそのブランド資産をフルに活かしたデザインで、多くのカメラ好きの心を捕らえた。特にトップカバーの意匠は秀逸。ここをボディ本体よりもスリムにすることで、ペンFのスマートな楔形フォルムが巧妙に再現されている。背面の段差を覆うクロームのオーナメントには賛否があるものの、僕は巧い処理だと思う。余談だが、M型ライカのデジタル版たるM8やM9にはこういう発想が無く、あの美しい「Mの軍艦部」をぼってりと厚く処理してしまった。資産を潰した好例だろう。
そのE-P1のトップカバーは、先代ペンの真鍮製に対し、アルミ合金製。さいきんのデジタル機の金属外装で定番となったマグネシウム合金ではなく、わざわざ別の素材を使った理由は「プレス加工にこだわったため」という。E-P1を担当されたデザイナー氏は、「絞り加工の持つ角のダレを再現したかった」とも語っていた。真鍮よりも展延性に劣り、加工もむつかしいアルミ合金を使ったのは、量産性やメッキ仕上げによるコスト上昇を嫌ってのこと(E-P1のトップカバーのシルバー仕上げはアルマイト)と思うが、でも実機はそういう違いを感じさせない見事な出来映えである。

Olympus PEN E-P1 / Summaron 35mmF3.5 / F3.5 1/1250sec. / ISO200 / (C)  Keita NAKAYAMA

Olympus PEN E-P1 / Summaron 35mmF3.5 / F3.5 1/1250sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

E-P1の復古調デザインには、さまざまな想いと工夫が込められている。それはかつての名機を創り出した名設計者へのオマージュでもあり、またクラシカルなカメラを愛好する層が今も確実にいることの証左なのだろう。
僕はこのカメラの仕事で、故・米谷美久さんへのインタビューを切望していた。それは残念ながら叶わなかったのだが、米谷さんの精神は新しいペンの設計チームにも確実に宿っている。ビューファインダーや内蔵ストロボを省くという割り切りを、E-P1の設計をまとめたエンジニア氏は「そういうものを付けておけばとりあえず文句は来ないけれど、新しい規格に相応しいメッセージを持つカメラをつくりたかった」と語った。
そういうつくり手のスピリットこそ、ペンを名機たらしめたものではないか。
(この項ひとまず終了)

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▲photo1:半世紀前のライカ用広角レンズ、ライツ・ズマロン35mmで。持ち前の解像感がデジタル記録でさらに強調されている。E-P1の画像処理エンジンとの相性は良好、JPEGでも若干の後処理でリバーサルライクな階調が得られる。焦点距離はフルサイズ換算70mm。被写界深度が深いマイクロフォーサーズ機の場合、絞り開放でもこれくらい近接しないと思うように背景をボカせない。

▲photo2:上の画像の25%を拡大。ピントは狙ったところよりもほんの僅かに奥に入っている。純正レンズでは画像を拡大するMFアシスト機能が使えるが、信号接点を持たないレンズをアダプターで使う場合はそれが効かず、背面液晶でのピント確認はかなりむつかしい。外部EVFを接続できるE-P2なら多少は好転するだろうか? MFアシストなら、合焦を知らせるフォーカスエイドを積んだ方が使いやすいと思うのだが。

▲photo3:製造年代を実感させるズマロンの逆光ハレ描写。フィルムカメラならここまでハレハレにならないのだが、やはりデジタル機ではコーティングの弱さを露呈する。後処理でコントラストを与えても画像が汚くなるだけ。最新レンズのように「いつでも安心」とはいかないけれど、こういうクラシカルな描写が好きなひとも多いはず。

Special thanks to MAYUMI.

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