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Hazel in Blue(2) : メイキングセンス。by 中山慶太

Hazel in Blue(2)

2013-04-19 | 東京レトロフォーカス別室

Mamiya ZD / Mamiya Sekor 80mmF2.8D / F4.5 1/30sec. ISO50 Av / (C) Keita NAKAYAMA

Mamiya ZD / Mamiya Sekor 80mmF2.8D / F4.5 1/30sec. ISO50 Av / (C) Keita NAKAYAMA

港にはギターがよく似合う、ような気がする。
それが横浜となれば、なおさらのこと。なにしろここは、明治の昔から異国の風が真っ先に吹き込んできた街なのだ。しかも戦後には進駐軍相手(横浜には大規模な米軍住宅がある)のバンドが覇を競っていた。
GSの草分け、The Golden Cupsなんかは、その「濃ゆい」空気を吸って育ったバンドだ。TVではアイドルっぽかったけれど、地元でのライヴでファンの度肝を抜くような、飛びっ切りのブルースロックを聴かせていたらしい。ベースがルイズルイス加部だから、ヘヴィーなサウンドは推して知るべし。

でも港町ロックが華やかなりし時代は、もう過去のこと。名門シェルガーデンを擁したバンドホテルも、ずいぶん前に扉を閉じた。外国航路の船が立ち寄る街に特有の、異国情緒と風通しの良さと、それにちょっぴりやさぐれた空気は、いつの間にか清潔なモダン建築の群れに置き換わっている。
とはいえ、港に近い街角のそこかしこに遺る建物は、ずっと時計の針を止めたまま。「ハイカラ」がもてはやされた時代の名残りをとどめて、今もそこにある。

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 /  Speria X-TRA 400  / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 / Speria X-TRA 400 / (C) Keita NAKAYAMA

時計の針を止めているといえば、この日に持参したギターもそうだ。イバニーズ製のコンパクトなセミアコ(さいきんは「アイバニーズのホロウボディ」と呼ぶらしい)は90年代初頭のものだけど、そこに込められた技術とコンセプトは、それから30年以上も前のアメリカでつくられたギターとほとんどいっしょ。カメラでいえばライカM3がそのままコピペされているようなもので、道具としてはほとんど進歩していないのだ。

僕がいつも面白いと思うのは、こういう楽器とカメラの違いである。どういうことかというと、カメラはどんどん使い手に優しく、機能を拡充しながら進歩しているのに、ギターみたいな楽器にはぜんぜんそういう素(そ)振りがない。
不便なところは不便なまま、弾きにくいと定評のあるモデルも相変わらずで、むしろ昔と変わらないことを売りにしている。それはまあいいとして、新しい技術で新しい客層をつかむ努力は、ほとんどしていないように見える。つまりいつまでも古い港町のまんま。それでも商売が成り立っているのは、いったい何故なのか。

(というような脱線話を書きはじめたらすごく長くなったので、次回に続く)

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▲photo01:久しぶりに登場の「スレッジハマー」マミヤZDで撮影。レンズはセコール80ミリF2.8、35フルサイズ換算=58ミリだが中判セン サーとの組み合わせで深度は浅い。ここではちょっと絞ってピント面を稼いだ。AFはたるいので使っていない。トーンは流石に豊富にあり、ただしJPEGで はそれを活かし切れていない気がする。ZDはRAWで撮ってナンボ? 圧縮記録でももうすこし立体感が出せるよう、ファームのアップデートに期待したいところだ。

▲photo02:3月下旬午後4時半の横浜港。学生時代にはよく歩いた界隈も今はずいぶん姿を変えた。立ち入れなかったエリアが市民に開放されて、旧い倉庫が洒落たブティックになっている。その一角に荷物を降ろし、光を待ちながら撮り始める。今回の忘れ物はギター用のピック。レンズはウクライナ製のミール24N。

Nikon FE2 / Distagon 35mm F2 ZF /  Speria X-TRA 400  / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Distagon 35mm F2 ZF / Speria X-TRA 400 / (C) Keita NAKAYAMA

▲photo03:光量が気持ち少なくなったところで、ニコンのレンズをディスタゴンに交換。おなじ焦点距離でレンズを換える理由は特にない(気心の知れない被写体であれば「なんとなく仕事をしているフリ」をして間を持たせることもある)。
絞りは2枚目とおなじ設定でF=5.6。深度の差は撮影距離が変わったためで、レンズの違いとは無関係。描写性に大きな差は無いが、日の光が弱くなったため画面全体が青っぽい。この日の撮影で狙った時間帯まであともう少しだ。

制作協力:脊山麻理子

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