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Pentax K-7 (7) : メイキングセンス。by 中山慶太

Pentax K-7 (7)

2009-07-26 | 東京レトロフォーカス別室

Pentax K-7 / DA Limited 21mmF3.2 AL / ISO200 / 1/50sec. F5.6 / MIYABI / (C) Keita NAKAYAMA

Pentax K-7 / DA Limited 21mmF3.2 AL / ISO200 / 1/50sec. F5.6 / MIYABI / (C) Keita NAKAYAMA

知人のモータージャーナリスト、下野康史さんのブログを眺めていて、自転車の話にまったくついて行けない自分に気がついた。下野さんはそういう話をオタクっぽくしない、普通のひとにも分かりやすく読める文章を書く名人なのだけど、それでも知識が追いつかない。そりゃそうだ、僕はこのところママチャリしか乗ってないのだ。
このサイトで書いているカメラ噺も、もともとの連載と違ってなるべく普通のひとにも理解できるよう、それと僕自身が「狭いところに入らない」よう気をつけている。でもちょっと気を抜くとすぐに専門用語が並んでしまうので、たぶん理解できないひともいるだろう。そういう知識なしに写真を愉しめたらどんなに良いか、と思う。

さて、ファインダーの視野率に対するメーカーの考え方は、雑誌などではほとんどFAQみたいな感じで、たびたび紹介されている。
勝手に総括すると、「中級までの一眼レフには、90%台のファインダーが実用的」「妥協を排した高級機には、100%が理想的」となる。これはユーザーの使用環境だけでなく、製品価格も考慮しての見解だろう。
このことについて、実際のユーザーがどう考えているのか、それはまったく分からない。そこで勝手に想像すれば、ほとんどのユーザーは「そんなこと、気にしていない」んじゃないか。というか、視野率を気にするひとにしても、それが実際の撮影で役に立つ場面は、そんなに多くないはずだ。
視野率の低いカメラは、ファインダーで確認できないものが画面に写り込む。これは「お店プリント」などでは上手い具合にカットされて帳消しになる。でも写真をネット上で見せっこしたりする場合は、「撮って出し」になることが多いので、この写真のように余分なものを写し込むことを嫌うひともいるだろう。
僕がそういうことをあまり気にしないのは、たぶん一眼レフよりもレンジファインダー機の方が好きで、そちらの曖昧な視野率に慣れてしまっているためだ。M型ライカの視野枠なら正確だろうって? いえ、それは事実誤認です。

そういえばシグマが最初に出したデジタル一眼、SD9は面白いファインダーを積んでいた。小さめの像をなるべく大きく見せようと、実画面の周辺までを像の一部として提供していたのだ。つまり視野率100%オーバー。これはライカが昔から主張する「写す画面の周辺も観察できるメリット」を一眼レフで実現したことになる。愛好家のウケもさぞかし、と思っていたら、次のSD10では普通のファインダーに戻してしまった。シグマのひとによれば「あまり評判が良くなかった」ためだそうだ。

視野率100%は「プロが要求するスペック」などとよく言われるけど、それも実はけっこう怪しい。職業写真家の場合、仕事の最終仕上がり形態は印刷物になることが多いけど、写真をノートリで使うデザイナーはまずいない(むしろトリミングの余裕がある方が好まれる)。また写真を天地小口の裁ち落としまで使う場合には、それぞれ3mmだけ誌面からはみ出したレイアウトにする(裁断時の誤差をそこで逃がす)ことになっていて、一分の隙もない構図も容赦なくカットされる。視野率のプロスペックというのは、実は幻想に過ぎないのだ。

では視野率100%は無駄なスペックなのか。ニコンのF/Dひと桁機やキヤノンEOS-1シリーズなどのファインダーは無意味な仕様なのか、といえばそんなことはない。画面のすみずみにまで気を遣うことは大切だし、もし気を遣わずに撮った写真でトリミングを余儀なくされたら、それは自分の責任だと深く反省する。そういう自己鍛錬のためのスペック、それを手に入れやすい価格で実現したことで、K-7というカメラの魅力は確かに増したと思う。

で、こんなことを長々と書いて最後にアレだけど、視野率100%のファインダーは今のカメラでは珍しくない。背面の液晶モニターは大概このスペックなのだ。でも僕はおでこと鼻の頭をカメラにくっつけて覗く光学ファインダーが大好きなので、こんな時代でもこの部分にお金をかけるメーカーがあって、そこにお金を出すひとがいるのは、とても良いことだと思っている。

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▲photo:白と黒のポートレート。こういう場面の露出は本当に難しい。服と背景を飛ばさず窓の奥の暗部も潰さず、という範囲のなかで顔を基準に補正値を決めるのだけど、使い慣れないカメラだと癖がつかめないからだ(人物の場合は露出ブラケットなど絶対に使ってはいけない)。ここではマニュアル露出、スポット測光で明部と暗部を測って、暗部を優先して顔の露出にプラス1EVで撮っている。K-7はファインダー内の露出スケールがプラスマイナスそれぞれ5段分(!)あるので、ヒストグラムと併せておおよそのイメージがつかめる。ハイライト側の階調もよく残っているが、これはD-Range補正の効果だろう。
レンズはDA Limitedの21mm。フルサイズで32mm相当だから、ペンタックスお得意の「半端な焦点距離シリーズ」だ。通常これくらいの画角は近接ショットにはあまり向いていない。腕が太く見えたり、顔の造作がデフォルメ気味になるから。それがあまり気にならないのは、スレンダーなモデルさんのお陰。

Special thanks to KAORI.

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