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The Legend of K’s (3) : メイキングセンス。by 中山慶太

The Legend of K’s (3)

2010-03-20 | 東京レトロフォーカス別室

Konica IIIA / Hexanon 50mm F1.8 /  Kodak Portra 160NC / (C)  Keita NAKAYAMA

Konica IIIA / Hexanon 50mm F1.8 / Kodak Portra 160NC / (C) Keita NAKAYAMA

気がつけば桜の季節になろうとしている。
いぜんはこの時期、大手カメラ店の売り場に、コニカ製の赤外フィルムが並ぶのが常だった。季節限定商品のハシリみたいなもので、いちど使ってみたいと思いつつ、けっきょく果たせずに終わったのが心残りである。

先の年の暮れに、とつぜん思い立って書きはじめたこの話も、そういう心残りをどこかで清算するためにはじめたようなものだった。仕事の合間に資料を集めて続きを書いてはいるのだけど、なかなか筆が進まない。コニカという会社が写真文化に遺した遺産がどれほどのものか、僕自身よく理解していなかったこともある。
先の原稿を上げてすぐに、何通かのメールをいただいた。僕が書くことや撮る写真などではなく、コニカのカメラが発する独特の香気に惹かれる方が多いのだろう。現存するメーカーではペンタックスもファンの信仰心が篤い。そういうひとたちに共通しているのは、メジャーなブランドを崇めることを善しとしない、いわば判官びいきな心根かもしれない。

僕にも似たような気持ちはあるけれど、まあ今の時代における昔のカメラは、ライカであれニコンであれ落日の判官。使える才能を顧みられない弱者、みたいなところがある。そんな才能をきちんとアピールできれば、フィルムの未来も少しは明るくなるだろうか。
そこで無理を承知でひとくくりにしていえば、古カメラの描写には、ある種の脚色力が備わっている。オーディオでいうところのローファイ、つまり忠実度の低さなのだが、それを逆手に取って心象表現に活かすこともできる。前向きなのか後ろ向きなのかよく分からないけど、デジタルとは別の撮影技法が使えるのだ。

もちろん、そういう写真が撮りたければ、若者に人気のトイカメラを使う手もある。ついせんじつ学研から発売されたプラモ風二眼レフなんか、それはもう素敵な心象フォトが撮れるし、落っことして壊れても百円で直せそうだ。デジタルの対極に位置するというか、写真文化の極北に位置する低画質カメラは他にもいろいろあって、どれも新品で買えるのだから佳い時代である。

でもまあ、桜の季節を前にわざわざ極北を旅するのもアレなので、手元にある古カメラでローファイっぽい写真を撮ることにする。選んだのはコニカIIIA。僕とほとんど同い年のこのカメラ、例によって「世界初」の機構を持ち、個人的に国産レンジファインダー機の最高峰のひとつと思っている。
そういう立派なカメラがなぜローファイ写真に向いているのか、と論を畦道に落とすことで主題の進行を先送りにしようとしているのだけど、この話も書けば長くなるので続きはまた。

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▲photo:コニカの名機にコダックを詰めるのは本意ではないけれど致し方なし。ヘキサノン50/1.8の癖のある発色も、蛍光灯光源とポートラ160NCの組み合わせではごくごく普通になる。視差ゼロのファインダーを売りにしていたカメラだが、最近接だとやはり視差はある。ところでこの美しい脚の持ち主は誰か、それは次回のお楽しみ(登場いただけない場合もあります)。

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