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Naked : メイキングセンス。by 中山慶太

Naked

2014-07-03 | 東京レトロフォーカス別室

Canon EOS 7D / EF 50mm F1.2L USM / F1.2 1/200sec. / ISO800 / (C) Keita NAKAYAMA

Canon EOS 7D / EF 50mm F1.2L USM / F1.2 1/200sec. / ISO800 / (C) Keita NAKAYAMA

撮影の日付けは覚えていないけど、曜日はすぐにわかる。

いやべつに、海の日とか体育の日に撮ったわけでない。そうではなくて、被写体が、その曜日しか都合がとれなかったのだ。モデルをお願いした恵利子さんはヘアサロン勤務。つまり火曜日のエリーである。

このときの写真は、カメラのムック本の仕事で撮ったもの。約400カットから8ページ分として十数カットを選んだのだが、編集部の判断で未使用カットが出た。そのなかの一枚を久しぶりに眺めていたら、なんとなくタイトルが空から落ちてきて、それを拾っていると書き出しが頭に浮かぶ。つまり写真が「書け」といっている。これはもう書くしかないと、数時間で一気に書き上げた。

Sodium」で使ったカットは、とても好きな写真だが、ふだんの恵利子さんのイメージとはすこし違う。それはトンネルの照明という特殊な光源で撮ったこともある。ちなみにナトリウム灯にはいくつか種類があり、現在の主流は高圧タイプ。弱点とされた演色性も改善され、今はそちらが主流になっている。僕は昔の低圧タイプに特有の見え方が好きで、この日の撮影場所もそれ優先で選んだ。ロケ地は神奈川県西北端の丹沢湖周辺である。

素顔を撮るのは容易でない。それは表に現れるものではなく、「飾らない心」のことだからだ。誰だって鏡に向かえば、自分の得意な顔をつくる。飾った表情もそれはそれで素敵だけど、撮り手はもっと違う表情を、素のままが出る瞬間を撮りたがる。人物撮影とは、被写体と撮り手の自我のせめぎ合いでもある。

ここに載せた二枚の写真も、素のようでいてちょっと違う。でも本人が鏡に向かったときにつくる表情とも、たぶん違うはずだ。そうであればそれでいいと思う。

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▲photo01:撮影を終え帰路を辿る途中に、立ち寄ったコンビニの駐車場でクルマのハッチゲートを開け、後部座席のモデルさまを撮った。光源は店舗の照明。それが瞳のキャッチライトになっている。

こうして改めて観ると、モデルの恵利子さんはきっちりメイクをしている(職業がら当然だ)。でも撮っているあいだはそれを感じさせない、ネイキッド・フェイスが素敵なひとである。どことなく宗教画を思わせる、慈愛に満ちたまなざしは癒し効果満点。

レンズはキヤノンEF50mmF1.2L。フルサイズ換算で80mm相当になる。大口径の威力で薄明かりの条件でも速いシャッターが切れ、絞り開放でもピントは素晴らしく先鋭だ。

Canon EOS 7D / EF 35mm F1.4L USM /  F4 1/250sec. / ISO200 / (C)  Keita NAKAYAMA

Canon EOS 7D / EF 35mm F1.4L USM / F4 1/250sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

▲photo02:こちらは午前の部。渓流の河原で昼ご飯の相談をしながら撮ったことを覚えている。露出は肌のシャドー側のトーンを基準にプラス補正。全体としては思い切りオーバー目に振っている。ボトムに添えた左手はほぼ飛んでいるが、顔のハイライト側は諧調が感じられる(実は錯覚)。快晴の日向のように明暗差が大きい状況だと、中庸なトーン再現は必ずしも正解と限らない。

惜しむらくは目のピントが弱いこと。表情優先でさくさく撮っていたため、ピントがすこし後ろに入り過ぎたことに気づかなかった。でもこれできっちり目にピントが来ていたとしても、それが良い結果となったかは分からない。このカットはこれくらいでいいんじゃないか、という気もする。カメラのムック本には不適だったが。

レンズはキヤノンEF35mmF1.4L。この日のロケは高価な赤ハチマキを存分に使えて、すごく気持ちがよかった。

モデル:鹿野恵利子

Special thanks to Yoshiyuki AOKI.

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