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Power Spot : メイキングセンス。by 中山慶太

Power Spot

2012-02-01 | 東京レトロフォーカス別室

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 /  RealaACE  / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 / RealaACE / (C) Keita NAKAYAMA

単純にいえば「元気が出る場所」ということらしい。
その存在について、怪しげなサイエンスをまじえて説明するひとがいる。また民俗学的な立場から研究するひともいて、そういう場合は民間信仰とかが必ず絡んでくる。熱心さには頭が下がるけど、僕はどっちも苦手だ。とりわけ疑似科学のジャンルは、昔の学友に「信仰」していた奴がいて、たっぷり嫌いにさせられた。

もうひとつ、写真などをやっていると、そういう「ワケのわかんないチカラ」を頼る気がしなくなる。トンネルとか滝壺でカメラを構えるにしても、出るか出ないか分からない場所で待つのは時間のムダだ。待つのなら然るべき目撃談をもとに、なるべく出やすい時間帯を狙わないといけない。
いやそれはパワーじゃなくて「心霊スポット」か。

真面目な話、撮りたいものを撮りたいイメージで撮るには、起きるべき事態を予測しての準備が不可欠になる。これは機材の選択からカメラの設定、天気予報のチェック、果ては撮影に臨む服装から持参するおやつ選びまで、実に多岐にわたる。

Nikon FE2 / Distagon 35mm F2 ZF /  RealaACE  / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Distagon 35mm F2 ZF / RealaACE / (C) Keita NAKAYAMA

なかでも重要なのが撮影場所と時間で、僕がいつもやっているような「人物をスナップ的に撮る」場合、ロケーションは機材の善し悪しよりもよほど大切、というより、それをもとに機材を選ぶくらいでないといけない。
まあそうはいっても、準備を周到にすればするほど裏切られるのが、写真の面白いところなんだけどね。

ではそのロケーションはどうやって決めるのか。これは撮るひとそれぞれが求めるイメージで変わるので、正解はない。仕事の写真なら前提になる条件から、ロケ場所は必然的に導き出されるものだけど、趣味の写真でそういう逆算をするのも、どうかと思う。
他の人がどうやっているのかよく分からないので、僕のことを記せば、ロケ場所選びは”anywhere but there”という感覚で決めることが多い。「そこではないどこか」、つまり写真を観るひとが、いちどは訪れた気がしつつ、すぐには特定できない場所だ。

思うに、そういう撮影地選びは、多くの撮り手が無意識のうちにやっている。ちょっと昔の面影を残す路地なんかが、人物スナップの背景によく選ばれるのは、観る側にデジャヴを与える狙いがあるからだと思う。そこに既視感があれば、イメージを共有しやすいからだ。
そんならいっそ東京タワーやスカイツリーなら、より多くのひととイメージを共有できるじゃないか。いやスカイツリーはまだこれからとしても、名所や観光地はどうして駄目なのか。

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 /  6.3mm F3.1 1/10sec. ISO800  / (C)  Keita NAKAYAMA

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/10sec. ISO800 / (C) Keita NAKAYAMA

もちろん駄目なことはない。ないのだけど、あまりに特定しやすい場所というのは、イメージが広がらずにむしろ狭まってしまう。つまり観る側の想像力を刺激しない。だけでなく、悪くするとたんなる記念写真になってしまうので、僕の場合はなるべく避けることにしている。

とまあ、もっともらしい御託を並べているけれど、ロケ地選びでいちばん大切なことは、撮影者と被写体が「行ってみたい場所」ということに尽きると思う。そこを歩くだけで自然に笑顔がこぼれる場所、それが人物写真の「パワースポット」なのだ。
といっても「誰もいない南の浜辺」なんかだと、写真撮影という目的が怪しくなりそうだから、健全な趣味写真に徹したい向きは、なるべく手近な日常のなかで探すのが得策だろう。

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▲photo1:工事中の踏切で。背景をボカしたくなかったので、深めに絞り込んでピントを思い切り後ろに送り、ついでにシャッター速度も遅めに設定。人物のボケとブレはほぼ狙った通り。逆光にあまり強くないレンズのハレ描写も期待通り。被写体のポーズと笑顔は期待以上だった。

▲photo2:モデルさまご推薦の路地。デジャヴな背景で撮るときでも、立ち位置やカメラ位置の工夫で不思議感が出せる。この写真はちょっぴり宙に浮いているように見えるよう考えながら撮った(実際はそんなに考えてません)。かつてあれだけ見かけた大谷石の塀も今や稀少品。

▲photo3:屋外とも室内ともつかない状況。実は大型の跨線橋に通された歩行者用トンネル。コントラスト強めのデジカメケータイでは陰影が強調されるため、ごく普通の散歩道でもドラマチックな写真が撮れる。カンのいいモデルさまはこちらが何も言わなくても、ちゃんと状況を読んで表情をつくってくれる。おかげで肌のハイライトを飛ばさない露出補正に集中できた。

制作協力:脊山麻理子

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