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五月尽く : メイキングセンス。by 中山慶太

五月尽く

2010-05-26 | 東京レトロフォーカス別室

Mockba-5 / Industar-24 105mmF3.5 / Neopan 400 PRESTO / (C) Keita NAKAYAMA

Mockba-5 / Industar-24 105mmF3.5 / Neopan 400 PRESTO / (C) Keita NAKAYAMA

今年はほんとうに雨の多い春だった。僕の仕事も少なからず影響を受けたけど、農家の方はもっと大変だったろう。青果売り場に並ぶ春キャベツの値段に驚き、料理に使って二度驚いた。
キャベツといえば旬が分からない野菜の代表格。でも春先のそれは、一年でいちばん美味しいと思う。それが玉のサイズは哀れなくらいに小さく、中身はスカスカで食感も悪い。トンカツ屋さんも困ったでしょうね。

玉といえば、これはキャベツの数を勘定する単位にもなっている。その語源はというと、キャベツは漢字で「玉菜」と書くからだそうだ。ちなみに埼玉ではこれを逆に綴る風習がある。なわきゃないか。
漢字表記がよく分からないといえば、諸外国の国名地名もそうである。イギリスの英吉利(スはどこに行った?)は暴走族の当て字に慣れていれば、まあ読める。でもスペインの西班牙、ニューヨークの紐育市などは「族語」を超越している。もっと分かりやすい当て字で夜露死苦。

露の字が出て来たところで、話は無理矢理モスクワに向かう。サイト開設一周年記念に放出するモスクワ5、これを漢字に置き換えれば莫斯科・伍だ。それはまあどうでもいいとして、ヒトサマに差し上げる前に実写でチェックすることにした。いちおう空シャッターで確認済み、でもちゃんと撮ってみないとね(実はもう何年も使っていないのだ)。

撮影日は五月晴れ、と言いたいところだけど、そのサツキとは入梅後の晴れ間のことである。つまり旧暦の5月。今の暦では6月に晴れないとそう呼べない。それもまあどうでもいいとして、この春の長雨も5月なかばには晴れ間がひろがり、絶好の撮影日和。ただしレンズ性能のチェックには向かない(どれも似たような写りになる)ので、今回はシャッターと絞り、それとピント精度を確認している。

使用フィルムはネオパン400プレスト。残念ながら中判用は製造完了となり、当家の在庫もこの日で底をついた。描写に突出したところはないものの、優れた粒状性と安定感は富士フイルムの傑作のひとつと呼びたい製品だったので、なんとか復活を望みたい。ちなみに今回の現像処理をお願いした旧知のMさんは、このフィルムを大量に買い占めて冷蔵庫にストックしている由。中判カメラ愛好家もいろいろ苦労が多い時代である。
撮影結果はなかなか良好。コントラストの高さは蛇腹カメラならではのもので、背景の大部分を高輝度面が占める条件でも、暗部がしっかり沈む。ピントは絞り開放付近ではやわらかく、ただし絞ってもものすごく先鋭とはいかない。でも、もともと中判用レンズはそういう設計がお作法だった。ミディアムフォーマットは解像度競争とは別のところで楽しむべきものなのだ。

Mockba-5 / Industar-24 105mmF3.5 / Neopan 400 PRESTO / (C) Keita NAKAYAMA

Mockba-5 / Industar-24 105mmF3.5 / Neopan 400 PRESTO / (C) Keita NAKAYAMA

気になる点といえば、画面の片隅がちょこっと甘いこと。でもこれは圧板のプレッシャーがすこし落ちているためで、背面の板バネを調節すれば正常に戻る。その証拠に、6×6マスクを装着した撮影分ではフィルムゲートの境目がぴしっと出ている。
注意すべき点として、軍艦部の端っこに設けられたビューファインダーは近接時のパララックスがかなり大きい。また距離をとってもアイポイントをずらせば視野が大きく動く。M型ライカのような感覚で撮ると、後で困ったことになる。ここに貼った二枚はどちらもノートリで、6×6はほぼ狙った通りの絵になっているけれど、6×9はけっこうズレている。
モスクワもスーパーイコンタとおなじニュートンファインダーを載せた機種(モスクワ4の途中まで)なら、この撮影視野の不一致はあまり問題にならなかった。モダンな意匠の代償で機能が後退したわけで、シビアなフレーミングには不向きなカメラといえる。トリミングの余裕を見込んだ撮影をお勧めしたい。

というわけで、五月尽く莫斯科の応募締め切りまであと一週間弱。興味のある方は是非に。

Special thanks to Mayumi.

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