西暦二〇一二年の夏休み(1)

2012-07-14 | 東京レトロフォーカス別室

Nikon FE2 / Mir-20N 20mm F3.5 /  efiniti UXi super200 / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Mir-20N 20mm F3.5 / efiniti UXi super200 / (C) Keita NAKAYAMA

久しぶりの海で、1年ぶりに日に焼けた。
梅雨時の撮影でも必ず晴れるのは、超ハレ女のお陰である。

この日はフィルムを現地調達。駅傍で見つけた看板に引き寄せられて手に入れた。地方の小都市の商店街で、いぜんは必ず見かけたあの緑の縁の看板だ。
明るい店内は、どことなく「今の時代に売るものが、よく見えていない」風情で、妙にこざっぱりしている。写真の用品販売も、かつての問屋制度が崩壊して様変わりしたようだが、いちばん影響を受けているのはこういう写真店かもしれない。

いっぽうで、ディスプレイラックのフィルムコーナーには、今の時代には意外なほどの面積が振られている。といっても品揃えはけっして豊富ではなく、よく見れば4つくらいの銘柄のコマ数違いでコーナーを埋めただけ。まあアキバのヨドバシだってあの程度だから、中判も大判もモノクロも並べないお店としては、それなりに頑張っていると言うべきか。

この銘柄の選択肢の少なさは、フィルム写真撮影という趣味の「ひっそり感」に直結しているのだけど、まともに供給できるメーカーが少なくなったのだから、致し方ない。そう思いながらラックの下の方を探すと、見慣れないパッケージが眼に入った。

Nikon FE2 / Mir-20N 20mm F3.5 /  efiniti UXi super200 / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Mir-20N 20mm F3.5 / efiniti UXi super200 / (C) Keita NAKAYAMA

手に取ると「efiniti UXi 」の文字がある。よく分からない銘柄で、しかも感度200。いまどき200のカラーネガがあったかぁ、と感慨に浸りつつ店主に訊けば「中身はフジで逆輸入」だそうだ。ううむ、これは使わざるを得ない。値段も安いし。

それにしても、初見のフィルムでいきなり本盤撮影、するか? シビアな「仕事の現場」ではまず考えられないことだけど、この日の撮影はごくごく軽いノリだ。それにネガカラーに限って言えば、フィルムの特性差はスキャナの設定でほぼ吸収できる(限界はあります)。
まあリスクがないわけではないのだが、今のフィルム写真を取り巻く環境を考えると、面白そうなネタを見つけたら、素直に面白がる。それでいいんじゃないかと思う。

というわけで見慣れぬフィルムをカウンターに積んで、それともう1種類コダックのフィルムも併せて買って、店主の質問(僕のカメラバッグの中身について)には節度ある答えを返して、いざ海へ。
(この項続く)

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 /  efiniti UXi super200 / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Mir-20N 20mm F3.5 / efiniti UXi super200 / (C) Keita NAKAYAMA

Special Thanks to MARIKO & KUMA-CHAN

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