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西暦二〇一二年の夏休み(2) : メイキングセンス。by 中山慶太

西暦二〇一二年の夏休み(2)

2012-07-16 | 東京レトロフォーカス別室

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 /  Kodak ProFoto XL100 / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 / Kodak ProFoto XL100 / (C) Keita NAKAYAMA

この浜風に吹かれるのは何度目だろう。
記憶は曖昧なのだけど、ここではじめて写真を撮ったときのことはよく覚えている。
あれはちょうど十年前の初夏。使ったカメラは蛇腹の中判だった。

あの日と違うのは持参したカメラとフィルムと、被写体の脊山さんの髪の色。あの頃の彼女はまだ学生で、会うたびに髪やメイクがころころ変わって、面白かった。
今はずいぶん落ち着いたけれど、持ち前の「撮られるパワー」は健在。たぶん本能というか、先天的な才能だろう。

じっさい、彼女と写真を撮る(彼女「の」写真を撮る、ではなく)ときは、服とか髪型とかポーズ、それに毒蛇の退治から無理矢理お日様を出すことまで、ぜんぶ彼女がやってくれるので、僕がやることはほとんどない。ロケ中のお茶と終了後の食事の心配をして、あとは「どう撮るか」を考えるだけなのだから、いたって楽なものである。

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 /  Kodak ProFoto XL100 / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 / Kodak ProFoto XL100 / (C) Keita NAKAYAMA

ロケ先の海岸は、すでに海開きを済ませた後。7月で二度目の休日ということもあって、ちょっぴり早めの夏休み気分に浸るひとたちで、結構な賑わいをみせている。

そういうbusyな場所のどこをどう切り取って、どんな写真に仕上げるか。そんなに簡単ではないけど、べつだん悪い条件でもない。誰もいない海なら、誰が撮っても雰囲気が出るところ、こういう場所では撮り手の差がもの凄く出る。つまり自分の個性を出しやすい分、条件としては恵まれている。撮られる脊山さんにしても、賑やかな方が愉しいだろう。
それに彼女は人目があってもなくても、被写体としてのパワーが変わらないひとなのだ。
(この項続く)

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▲photo01:黄色地に赤文字といえば、写真の世界ではコダックカラー。初めて使うPro Foto XL100の最初のカットは、パッケージとおなじ色のレスキューボードの前で。露出は適正からプラス2段半、絞り開放でもカメラボディの最高速までまだ1段分の余裕があった。
ピントは前ピン。これはファインダーのマット面全体を見て、顔の部分が背景に綺麗に馴染むポイントを探して決めている。ピント面を正確に顔に置いてしまうと、人物が背景から浮き上がりすぎると思えたからだ。
レンズはお馴染みのウクライナ製ミール。アウトフォーカス面の軟調描写はこういう撮影にぴったり、コントラストが高くなり過ぎないのもいい。その性質を強調するため、フード未装着で前玉に斜光線を入れている。仕上がりの色調はかなり油絵風だが、後処理は特に入れていない。脊山さんの清楚な立ち姿(ちょっと珍しい)も画面のレトロ感を強調している。

▲photo02:ビーチサイドのレッグウォッシャー、気取らずに言うと「脚洗い場」。海水浴場にはこういうフォトジェニックな小道具がたくさんあるので、見つけたら遠慮せずに使わせて貰おう(ただし傍迷惑にならぬよう注意)。
この場所でポイントが高いのは左の白壁。これが巨大なレフ面になるため、ピーカンの時間帯でも人物の肌が綺麗に起きる。いっぽうで旧レンズには迷光が入射する厳しい条件。このカットでもトーンの両端は気持ち浮き気味で、その部分の処理如何で印象はかなり変わる。ここでは通常とは逆に「暗部を締めて明部を浮かせる」処理を選んだ。壁面の白を飛ばさずに残すことで、建物のヤレ感を出すことができる。白が僅かに黄色っぽいのはPro Foto XL100の特性か。

制作協力:脊山麻理子

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