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西暦二〇一二年の夏休み(3) : メイキングセンス。by 中山慶太

西暦二〇一二年の夏休み(3)

2012-07-18 | 東京レトロフォーカス別室

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 /  Kodak ProFoto XL100 / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 / Kodak ProFoto XL100 / (C) Keita NAKAYAMA

海の家もずいぶん様変わりした。
僕が生まれ育ったのは、湘南の西のはずれの街なのだけど、かつてその海岸で見かけたような「仮設店舗という名のバラック」は、この海岸のどこにもない。

国道を背にして並ぶ店は、どこも都会的でスタッフも愛想が良く、メニューもしっかり充実している。昔の定番だったかき氷とカレーとラーメンは、いったいどこに消えたのか。
いやまぁしかし、夏の浜辺でラーメンも無いとは思うのだが。
そんな雰囲気をつくっているのは、この海岸の立地(湘南の東のはずれで都心に近い)もあるのかもしれない。でも郷里に戻っても、たぶん事情はいっしょだろう。ちなみに神奈川県の海岸は数年前から全面禁煙。浜辺の吸い殻も消えている。

そうやって建ち並ぶ新世代の海の家のなかでも、ひときわ目立つモダンな店で食事をした。招いてくださった脊山家のご馳走で、エスニック風の皿を皆で満喫する。
そのお店は外装も内装も真っ白白の白づくめ。だから人物撮影にも向いている。ちょうどスタジオのホリゾントといっしょで、光がとても軟らかい。しかも外壁の開口部が大きく取られているため、自然光がたっぷり入る。

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 /  Kodak ProFoto XL100 / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 / Kodak ProFoto XL100 / (C) Keita NAKAYAMA

通常は撮影を避けたい真昼どきに、こういう環境で食事をしながら写真が撮れるのは、けっこう贅沢なことだと思う。皆さんもこの海岸に脚を運んだ際は、撮影に使わせてもらうと良いだろう。都心から1時間とちょっと、湘南の東のはずれの浜辺に某テレビ局が出している海の家だ。
(この項続く)

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▲photo01:白い海の家のベランダを背景に、日向と日陰の境い目を利用して撮る。室内側の光は軟らかくディフューズされているため、肌の描写がとても綺麗。いっぽうベランダ側は強烈な日差しで、テーブルと椅子の影しか写らない。その影でちょっと不思議っぽい浮遊感を狙ってみた。
ここで問題なのが室内とベランダの光量差。被写体の座り位置を室内側とした場合、肌に露出を合わせると背景は影を含めて全飛びする。このカットではネガカラーの記録幅を目一杯に使い、1枚の画像をスキャナの設定を変えて取り込んでいる(ベランダ側をアンダー目に、室内側をノーマルで)のだが、それでも限界ぎりぎり。最新のデジタル機でも、一発で両方を出すのは無理だろう。
レンズは前回とおなじ35ミリ。こういうポートレート撮影には本質的に不向きな焦点距離だが、もっと長めの玉を使うとカメラ位置が高くなり過ぎるし、背景の影も一部しか使えない。ここでは人物のパース感をなるべく殺せる角度を選び、背景の影の入り方を見ながら、撮影距離をできるだけ詰めて撮影した。ピントが微妙に後ピンなのは被写体の動きに付いていけなかった僕のミス。でもこの場合は「結果オーライ」という気もする。

▲photo02:被写体お気に入りの赤いコイル(空気入れらしい)と記念撮影。壁面は無彩色の白のはずだが、気持ち黄色がかぶっているのはフィルムの特性か。スキャナの設定で色を抜いたものと見比べて、上の画像からの流れではそちらの方が自然だったけれど、なんとなくこっちを選んだ。
もうひとつ気になるのが画面の切り取り方。たぶんこの場合はもっとカメラ位置を下げて、なるべく脚先まで画面に入れるひとが多いと思う。現状、確かに半端ではあるのだが、カメラ位置を下げれば画面右側の家が顔の横に来るし、脚をもっと入れると人物とコイルとノズルの位置関係が崩れる。
もろもろバランスを考えれば、カメラ位置をもう少し退くべきだったかもしれない。ただしそれだと画面に対して人物が小さくなり過ぎる。悩むところは多々あるけれど、こういうロケ撮影では適当なところで折り合いをつけるのが吉。表情とポーズに集中してサクサク撮れば、きっと気持ちのいい写真になるんじゃないかと思う。

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 /  Kodak ProFoto XL100 / (C)  Keita NAKAYAMA

Nikon FE2 / Mir-24N 35mm F2 / Kodak ProFoto XL100 / (C) Keita NAKAYAMA

▲photo03:白い家のテーブルと蓮の花(前々回の写真で脊山さんが手にしている造花)。オレンジ色のTシャツは脊山さんの仕事仲間で、某カメラメーカー勤務のフォトグラファー、くまちゃん。
テーブル手前の蓮を基準にコントラストを決めると、画面左奥のベランダは大量に白飛びする。室内と外の光量差はそれだけ大きい。
しかし今回は解説が長いな。

制作協力:脊山麻理子

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