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FUJI FinePix X100(2) : メイキングセンス。by 中山慶太

FUJI FinePix X100(2)

2011-08-24 | 東京レトロフォーカス別室

FinePix X100 / Fujinon Super EBC 23mmF2 / F2 1/5.3sec. / ISO200 / (C)  Keita NAKAYAMA

FinePix X100 / Fujinon Super EBC 23mmF2 / F2 1/5.3sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

かつてのM型ライカ、とりわけあのM3がそうであったように、X100は「ファインダーのカメラ」である。
もちろん、半世紀前にM3がセンセーションを巻き起こした、あの贅を尽くしたレンジファインダーは、X100のレトロな軍艦部のなかには存在しない。
その代わりに、このカメラには電子技術の塊ともいうべき、ハイブリッドファインダーが搭載されている。

X100のファインダーについては、もういろいろなところで書かれている。OVFとEVFを切り替えることで、撮影の目的とスタイルに合わせた視野が瞬時に得られること。提供される情報がひじょうに多く、その表示も撮影者がカスタマイズできること。カタログを要約すればそういうことなのだが、こうした個別の特徴に目を向けてしまうと、このカメラが発するメッセージを聴き漏らすかもしれない。

FinePix X100 / Fujinon Super EBC 23mmF2 / F2 1/5.3sec. / ISO200 / (C)  Keita NAKAYAMA

FinePix X100 / Fujinon Super EBC 23mmF2 / F2 1/5.3sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

OVF=光学式とEVF=電子式。この二種類のファインダーを合体させる発想は、言い古された表現だが「コロンブスの卵」的なところがある。完成度も高く、特にOVFの視野にEVFの撮影情報を重畳(ちょうじょう)したファインダー像など、その仕組みを頭で理解していても感動ものだ。店頭でこれを見ただけで、つい財布に手が伸びたひとも多いことだろう。
加えて「露出値がファインダー視野で確認できる」電子映像ならではの恩恵が、ビューファインダーでも享受できることも、このカメラのおおきな魅力である。

ただし、この多機能ファインダーが実際の撮影にどれだけ寄与するかというところは、ちょっと判断がむつかしい。これは撮影ジャンルや撮影者の好み、というより練達の度合いによって差が出る部分だからだ。
たとえばOVF/EVFともにデフォルトで出画する電子水準器など、水平出しに自信のない初心者には、ありがたい装備に違いない。でもある程度慣れたひとなら、わずかな傾きにこだわってシャッターチャンスを逃す(水準器のレスポンスには僅かな遅れがある)より、取り敢えず撮って後処理で水平を出す方法を選ぶはずだ。

FinePix X100 / Fujinon Super EBC 23mmF2 / F2 1/8.5sec. / ISO200 / (C)  Keita NAKAYAMA

FinePix X100 / Fujinon Super EBC 23mmF2 / F2 1/8.5sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

もちろん水準器をはじめとする情報は、不要であれば消すこともできるのだが、そうやって出画項目を整理していくと、最後に残るのはフォーカスエリアと露出計、それにシャッター速度/絞り値とISO感度表示だけだったりする。なんのことはない、フィルム時代のカメラから「カウンター」を外しただけである。
となると、この凝りに凝ったファインダーも、実はギミックということなのだろうか。

いやいや、そんなことはない。FinePix X100が発する最大のメッセージとは、本気の写真を撮るときの、カメラの構えについての問いかけなのだ。そして、そこで問われているのは「カメラを顔面に密着させて撮る」ことの意味と価値である。

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▲photo01/02:X100のISOオートはシャッター速度の低速側を任意に選べる。設定可能な最低速は1/4秒で、通常の一眼レフの手ブレ危険領域を超えているところが静粛なレンズシャッターを積むこのカメラならでは。ここではその領域での被写体ブレを狙っている。
画面右側の窓から外光が射し込む条件だが、光の絶対量が少ないため、絞り開放・ISO200でシャッターはちょうど低速側限界に近い速度になった。被写体には自由に動いてもらい、イメージどおりのブレが得られたのは10カットのうち半分ほど。他のカメラならもっと歩留まりが悪かっただろう。
JPEG最大サイズ・最高画質で記録。photo02はノートリ、露出オート、+2/3EV、フィルムシミュレーション=ASTIA。

▲photo03:上とおなじ条件で。絞り優先オートのシャッター速度が変化しているのはスポット測光で測った部分が違うため。結果露出値に差が生じた。
ハイライト側の白飛びはAPS-Cサイズの撮像素子を積むカメラとしては標準的という印象。X100は二段階のダイナミックレンジ拡張機能(DR=200%または400%)を積んでおり、それを使えばもっと階調を出すことができる。ここではリバーサルフィルムのハイキー描写を意図したため、DRオフ(100%)で撮っている。
注目すべきは発色の良さ。露出設定に照らせばシャドー側はもっと渋い色調になる条件だが、ご覧のように色ヌケはたいへん良好。この画質には画像処理エンジンだけでなくレンズ性能も寄与しているはずだ。ちなみにフードは未装着である。
JPEG最大サイズ・最高画質で記録。ノートリ、露出オート、+2/3EV、フィルムシミュレーション=PROVIA。

Special thanks to MAYUMI.

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