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残暑お見舞い申し上げます : メイキングセンス。by 中山慶太

残暑お見舞い申し上げます

2010-08-21 | 東京レトロフォーカス別室

Konica Acom-1 / AR40mmF1.8 / FUJI Speria Vinus 400 / (C) Keita NAKAYAMA

Konica Acom-1 / AR40mmF1.8 / FUJI Speria Vinus 400 / (C) Keita NAKAYAMA

例年にない猛暑が続く中、皆さま如何お過ごしですか。
こちらは暑気あたりに仕事が重なり、更新が滞って申し訳ありません。

久しぶりにコニカのカメラとレンズを使った。いつも被写体を務めてくださっているマユミさんに「半永久貸与」中のAcom-1とAR40ミリだ。
彼女が先月に出かけた海外旅行の写真を見せていただいた際に、光線引きを発見したので、カメラのチェックも兼ねて待ち合わせ。裏蓋を開くと、やはり遮光材のモルトプレーンが風化していた。まあ、もう三十数年前のカメラなので仕方がない。っていうか、ちゃんと補修してから渡すべきだったと反省。彼女がかき氷を食す間に、お店のテーブルにお店を広げてその場で修理する。

それにしても、僕が使っていた頃には、そんな症状は現れなかった。ふむ。これはどういうことなのか。
たぶん、僕は1本のフィルムを短時間に撮り切るので、光線漏れでフィルムがじわじわとカブる前に、とっととフィルムを送って取り出してしまうからだろう。普通のひとなら1本撮り切るのに数時間、下手をすると数日かかるから、その間に裏蓋とボディ本体の嵌合(かんごう)部や、ヒンジの部分で劣化したモルトプレーンの隙き間から光が漏れる。それで巻き上げ側のスプール周辺とか、シャッターの背後でむき出しになったフィルムがカブってしまうのだと思う。

モルトプレーンのような化学素材(発泡ウレタン)が使われはじめたのは、おそらく1960年代のことで、当時はこの素材の経年変化を問題にする人はいなかった。または、時間を圧縮して行う加速試験の方法が確立されていなかった。もしそれを問題視する人がいたとしても、カメラが数十年後まで使われることは想定外だったのだろう。それとも、遮光材は消耗品と割り切って、劣化したら交換せよ、という設計思想なのか。

とはいえ、そういう化学素材が出現する前のカメラには、半世紀以上の使用に耐える繊維質の遮光材が、要所にごく少量使われていただけだった。それで光線漏れが起きなかったのは、フィルムの実用感度が低かったためだけではなく、カメラが手作業で組み立てられ、しかもその精度が高かったからである。今使っても、50年代以前のカメラは、そういう部分で安心感がある。

久しぶりに使うAcom-1は、このところ借用している中判デジタルに慣れた掌には驚くほど軽く、でもその見返りとして、やはりスローシャッターに弱い。レリーズショック(ミラーショック)が掌にダイレクトに伝わる。焦点距離分の1秒では安全マージンが充分でなく、できればその倍くらいで切らないと、微妙なブレ写真を量産することになる。
いっぽう、レンズはやはり傑作だ。薄暮の階調をきちんと表現できるし、絞り開放でもピント面のシャープネスは、現行レンズにひけを取らないものがある。そしてそこからアウトフォーカスしていく部分の絶妙の軟らかさ。こういうレンズの系譜が途絶えてしまったのは、残念と言うほかない。ついでに書けば、おなじブランドのフィルムについても同様だ。
まあ、そんなことを言っても後の祭り。今残っているカメラを、一日でも長く使うことが、亡きコニカの写真関連製品への鎮魂になるのだろう。撮影日はちょうどお盆の最中だったので、精霊流しをイメージして運河のほとりで撮った。

マユミさんの麗しい浴衣姿は、まだ続編があるので、ぜひご覧ください。

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Special Thanks to MAYUMI.

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