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ディストーション(2) : メイキングセンス。by 中山慶太

ディストーション(2)

2009-05-09 | 東京レトロフォーカス別室

''little barrel distortion''  Leicaflex SL2mot. / Summilux50mmF1.4 / RealaACE / (C) Keita NAKAYAMA

''indirect light'' Leicaflex SL2mot. / Summilux50mmF1.4 / RealaACE / (C) Keita NAKAYAMA

さて、光学製品である写真用レンズにも収差はつきものだ。でもディストーションは他の収差とはすこし性質が違う。英語でも収差はaberration、歪曲はdistortionと区別されている。
たいがいの収差は「レンズ内を通過した光線を一点に集めることができない」ために、ピントがアマくなったり点像が滲んだりする。これは料理でいえば灰汁(あく)みたいなもので、ぜんぶすくい取ってしまえば味が良くなるかというと、そういうものでもない。適当な雑味があった方が旨く感じる料理といっしょで、写真も撮る対象や撮るひとの好みによって、微妙な収差が心地良く感じられることもある。
ではディストーションはどうかというと、モノのカタチを歪めてしまうのだから、写真として正しくないともいえる。まあ「正しいか間違いか」みたいな二元論に落としてしまうのも、趣味のありようとしてどうかと思うが、たぶん歪曲を心地良く感じるひとはあまり多くないだろう。


ディストーションの現れ方はレンズによってまちまちだが、その形状からいくつかに分類される。画面中心部が膨らんで写る「樽」、その逆の「糸巻き」、いったん膨らんで四隅で逆方向に曲がる「陣笠」。英語ではそれぞれbarrel(樽)、pincushion(針刺し)、moustache(口髭)となる。どれも古くさい表現だけど、こういう写真用語はまずたいがい百年も前の発明品なので、文句を言ってもはじまらない。
むしろ面白いと思うのは、そんな昔に認識されていた問題が、時代を隔てた今でも未解決のまま残っていることである。いや大昔でも歪曲の無いレンズは存在したし、今ではもっと増えている、という方もいらっしゃるだろう。
でもじっさいには、現代の多くの写真用レンズはディストーションを残したままなのだ。それはレンズの主流が単焦点からズームに移ってしまったためである。

制作協力:クニトウマユミ

▲写真「間接光」:大口径ダブルガウスに特有の、緩く典型的な樽形歪曲。

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