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エモノ -favorite weapons-(3) : メイキングセンス。by 中山慶太

エモノ -favorite weapons-(3)

2009-06-27 | 東京レトロフォーカス別室

''Cloudy Sky, Shiny Smile'' Meopta Opema Ia / Largor 30mmF6.3 / Reala ACE / (C) keita NAKAYAMA

''Cloudy Sky, Shiny Smile'' Meopta Opema Ia / Largor 30mmF6.3 / Reala ACE / (C) keita NAKAYAMA

不便な道具といえば、今の時代のフィルムカメラは全部そうだ。といっても道具たちが仕事を投げ出したわけではなく、使い手がより便利なもの、もっと別の価値を求めたためにそうなった。そこでフィルムの美質を挙げて擁護することも出来るけれど、むしろ不便さを愉しむ方が健全だ。後ろ向きの趣味というのは、どこかに前向きな部分をつくらないと長続きしない。

もちろん、フィルムカメラにもいろいろある。最新の、というより有終の美を飾ろうとしているカメラ、たとえばニコンF6なんかは、もう出来ないことを探すのがむつかしいほど優秀な道具といえる。「アナログ写真機としては」という但し書きをつけなきゃならないのが、まあ淋しいところだけど。
いっぽうそういう到達点に至るまでのカメラは、時代を遡るほどに不便さが増していく。これは別の見方をすれば、趣味の道具としてのお楽しみが増量された、つまりお得なカメラになっていくということだ。

ここに「オペマ Opema」というカメラがある。今から半世紀ほど前に、中欧のチェコスロヴァキアでつくられたシンプルで美しいカメラだ。先の大戦後に世界のあちこちでつくられたライカコピー機のひとつに数えるひともいるけれど、日中米英露の五カ国でおなじ図面からつくられたようなカメラと違って、ライカとの類似性はあまりない。毛色はちょっと違うけど、フランスの「フォカ Foca」なんかもそうだった。
オペマには大別してふたつの種類がある。連動距離計を内蔵する「ll型」と、それを持たない「l型」である。それ以外のスペックは重さを除けばまったくいっしょ。布幕横走りシャッターの速度が1/25秒〜1/500秒(とバルブ)、一軸回転式シャッターダイヤル、ノブ式巻き上げ、コンタックス流に裏蓋底蓋が一体で外れる構造、通常のライカ判(36mm×24mm)より長辺が4ミリ短い画面サイズ。オペマの特徴はこれだけだ。取説もカタログもペラペラで済むだろう。

その単純さが受けているのか、または繊細な外装デザインが人目を惹くのか、オペマは旧カメラ愛好家の間でも隠れファンの多い機種らしい。といっても、僕は街頭でこのカメラを持つひとに出くわしたことがないけど、今日びはフィルムカメラそのものがそういう状況なので、まあネットオークションなどをウォッチしての感想だと思って欲しい。
そのオークションを眺めていると、上記の「II型」と「l型」では落とされる価格にかなりの差が付く。オペマl型は距離計を持たない目測機なので、実用に足りないと考えるひとが多いからだろう。または「どうせ買うなら高級仕様を」と思うのか。
そういうひとの気持ちはよく分かる。僕も最初に買ったオペマはII型だったから。でも、その後にものの弾みで買ったl型と比べて、どっちの使用頻度が高いか、いやどっちが愉しいかといえば、これはだんぜんl型である。なぜならそれは、不便な道具の素晴らしさを僕に教えてくれた最初のカメラだからだ。

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▲photo「クラウディスカイ、シャイニースマイル」:トポゴン型の暗い広角レンズ「ラルゴール」を絞り込み、シャッター速度を思い切り低速側に振って撮る。発色が渋いのは天候の所為だけではない。もう少し地面を入れたつもりが、そうならなかったのはヤマシロユウコの可愛いお尻に見とれていた、ためではなくて、ラルゴール専用の外部ファインダーは正確なフレーミングが出来ないタイプだから。そういう場合はトリミングの余裕を見て撮るべきである。オペマの画面比率はライカ判よりずっと「据わりが良い」。

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