Capsule Monster
ヒーローに憧れたことはないが、あのポケットの中身は羨ましかった。
なにが入ってるかといえば、小さなカプセルがひとつふたつ。設定ではもういくつかあるらしかったけれど、僕が覚えているのはふたつだけ。彼はそれをどう使うのか。よんどころない事情で立ちゆかないとき、敵にこれを投げつけるのだ。すると巨大なモンスターが現れ、ヒーローに代わって戦うという寸法。
いやまったく、こんな便利なものはない。僕ならハナっからカプセルに頼って、自分は高みの見物と洒落込むだろう。なるべく安全な場所にござでも敷いて、寝転んでスナック菓子でも頬張ってね。それでモンスターが劣勢になったら(必ずそうなる)、別のカプセルを投げればいい。そいつもまた弱くても、二対一なら勝機はあるだろう。敵を羽交い締めにしてボコにするとか。
ちょいと待った。そいつは反則、いや卑劣じゃないかって?
ああ、その通りなのだが、ヒーローのように不条理な闘いに明け暮れていたら、どこかで休みたくなるのも無理はない。そもそも彼の闘いに正義などないのだ。あるのは視聴率という大義だけ。それで勝って当然、負けたら打ち切りで忘れられる。ヒーローとはつくづく、因果な商売である。
・・・などと、また例によってとりとめのないことを考えつつディスクを振ってみたら、ちゃあんと出てきました。撮れないとき、話のネタに詰まったときのための、「在りネタ」が。これこそ僕のカプセルモンスター。いやじっさいはヒーローそのものだ。
しめしめこいつで暫しの時間かせぎ。頼んだぞユウコ1号、カタキはかならず取る。ではなくて、「続きはきっと書く!」。
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