M Returns / 02
この日に脊山さんと僕が持ち寄ったカメラはぜんぶで三台。
デジタルは彼女が愛用のマミヤとルミックス、フィルムは僕の担当でM3を選ぶ。もうあと一台追加するつもりが、手配がぎりぎりで次回に持ち越し。結果それで良かった。マミヤZDとM3の二台持ちでもう、じゅうぶんにへこたれました。
このサイトでの初顔見せはルミックスGF2。パナソニック製ミラーレス機の第二世代で、脊山さんはこの機種が「いちばんイケてる」という。その原型のGF1なら僕もカメラ本の仕事で使ったことがある。あれは売り方をちょっと間違えた気がするけど、力の入ったいいカメラだった。
前回と今回の画像はそのGF2。レンズはパンケーキの20ミリだからすごく軽い。ZDとM3から持ち換えると、鏡餅と切り餅と煎餅くらいの差がある。画質も「まだまだイケてる」と思いつつ、この二枚の仕上がり倍率(全画面の約35%を16:9に近い比率で切り出している)では輪郭強調が目につく。今回の分は後処理で補正を入れたが、これはカメラの設定を変えて撮るべきだった。
ルミックスを使って感じるのは、画質設計が欧州寄りというか、渋い光の条件でいい感じの絵を出してくるということ。ライカとの提携でそういう絵づくりを目指したのか、それとも開発者の個人的な好みか。パナソニックには元コニカミノルタの技術者が在籍しているようなので、ちょっと興味のあるところである。
ここまでの二枚の写真で、M3は被写体に回っている。そういえばこのカメラを小道具にした記憶がない。王道すぎて面白みがないというか、たんに色気がないというか。でもこうして改めて眺めてみると、やはりツェッペリンとM型ライカは「奇数に限る」気がする。
撮影場所は東大本郷キャンパスのとある一角。あの構内にはこういう廃墟っぽいところがけっこうあって面白い。
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制作協力:脊山麻理子
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