Days As Usual（１）
docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/125sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA
写真で素敵なのは、説明がいらないところだ。
言葉がなくても伝えられる。むしろ言葉を添えることで、観るひとの想像力を縛ることもある。あれこれ言わなくても、見れば分かるでしょ、ねっ。
でも僕なんかは、そう思いつつも言葉を重ねてしまう。たんなる老婆心か、伝わらないことへの怖れがあるためか、またはたんに野暮なだけなのか。全部だったりして。
じっさい、日常のスナップなど、言葉で伝えることもない。スナップの本質は感じたままに切り取ることであって、いわば動画のワンフレームを切り出したようなもの。なぜそこでポーズボタンを押したのか、それは説明できないものだし、後付けの言葉は嘘になる。
「写真とは、嘘真実である」というのは荒木経惟の名言だけど、あれは天才によって語れたからこそ重みを持つ言葉。平凡な写真に嘘も真実もない。
凡庸なスナップ写真とは、善くも悪くも、半端なものである。写真として未完成な、宙ぶらりんのまま切り取られ定着された一瞬。そこに足りない部分を言葉で埋めても、過ぎ去った一瞬が復元されることはない。欠落しているのは撮影機材でも技術でも、その場に射し込む光でもなく、撮るひとの心にあるべき「確信」だからだ。
宙ぶらりんで、確信のない、疑念だらけの日常。そういう瞬間を言葉でつなげてみたくなった。退屈な毎日は、ドラマチックな嘘にどんな風に負けるのか。あっけなくKOか判定負けか、それとも。
▲photo01：都心の水辺。こういうフィジカルな現実逃避に、まだニーズがあることは驚き。岸辺から離れすぎないところに安心感があるのかな。この日は開店休業。
docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/60sec. ISO64 / (C) Keita NAKAYAMA
▲photo02：傘で並ぶ店。列の後ろで並んでいるひとにお願いして、色とりどりの傘を写したかったのだが、振り向くと誰もいなかった。梅雨時はオープンカフェのニッパチだ。
docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/80sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA
▲photo03：レンタル料金がいっしょなら、色付きの方がいい。それにしても露天の係留で長雨だと、舟は水没しないのだろうか。
docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 13.1mm F4.6 1/80sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA
▲photo04：雨水とポリカーボネートと金属棒のアート。こんな素敵な展示を、誰も気づかずに往き過ぎていく。なんてもったいない。
docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/8sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA
▲photo05：雨の日はケンジントン・ハイストリートで買ったローファーを履く。ソール交換だけで十五年目、スタッグにてかり無し、型くずれ無し。さすが英国製は雨に強い、と思って裏地を見たらメイドインUSAだった。
Trackback URL