Days As Usual（３）
docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 18.9mm F14 1/190sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA
花の写真を撮ることになった。
普段やらない分野なので、勝手はよくわからない。まあ普段使いのカメラで撮るという条件だから、気は楽である。これがデジイチにマクロレンズの組み合わせなんかだと、心理的にも物理的にも荷が重くなる。
といっても、僕にそういう撮影を振ってくるひとは、まずいないはずだけど。
撮り方はごく単純で、身の回りにある花にレンズを向ける。ただそれだけ、なのだが、もちろん簡単ではない。そういう撮り方だと、環境の影響を受けやすいからだ。
具体的には、光と風である。光は発色に、風はピントに影響する。どちらもカメラ側の設定である程度は調整が効くけれど、画質と相談していくと、どこかに限界がある。適当なところで妥協するか、それができない場合はとっとと諦めるしかない。意志が通じない相手の場合、撮影は引き際が肝心だ。
いろいろやってみて、分かったことがふたつ。綺麗に撮ることにこだわりすぎると、どこかで見たような写真になる。綺麗なものを綺麗に撮る方法は、もうずっとの昔に確立されていて、そのセオリーからは「なんぴとたりとも逃れられない」。だからお作法をなぞって類型的になるより、花の素顔を素直に撮る方がずっといいんじゃないか、ということ。すくなくともその方が僕の性に合っている。
もうひとつは、僕らの生活は驚くほどたくさんの花に囲まれていて、そういう花のほとんどは、誰かの世話を受けて咲いているのだ。そういう当たり前のことが、相手を気にするようになってようやく見えてきた。
シーザーいわく「人間は自分の見たいものしか見ない」。つまりこれは二千年以上前から変わらない、人間の本質なのかもしれない。でも、身のまわりの存在が意識しないと目に入らなかったり、そこにあるのが当たり前と思うのは、写真の撮り手として、ちょっとマズい兆候だ。うん、反省しよう。
▲photo01：名を知らぬ菊科の花。中心に向かって吸い込まれるようでもあり、また中心からエネルギーが放射されるようにも見える。なぜこういう形をしているのか、考えながら撮っていて花弁のアブラムシに気づかなかった。画面中央部の５％をピクセル等倍でトリミング。
docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 18.9mm F14 1/190sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA
▲photo02：上の写真の全体像。近所の小学校に沿った歩道で撮った。写真を撮ろうと思うまでは、そこに花壇があることを意識していなかった。それにしても萎れた花って、なぜこんなに綺麗なんだろう。
docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/125sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA
▲photo03：アロエ、または地球を侵略するアロエ星人。気をつけていても知らぬ間に増殖している。これが入ったヨーグルトとか食べ続けると、身体が光合成体質になりそうだ。花も「禁断の惑星」に出てきそうな外見で魅力的なのだが、あいにくと季節が違った。
docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/8sec. ISO64 / (C) Keita NAKAYAMA
▲photo04：午後７時のツツジ。その時間になるまで待って撮った、のではなく、その時間に通りがかって撮った一枚。その時間でなければ撮る気にならなかった一枚、でもある。
docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 18.9mm F5.6 1/40sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA
▲photo05：水盆の空とツツジ。梅雨どきのつかの間の好天に。
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