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Canon EOS 7D (5) : メイキングセンス。by 中山慶太

Canon EOS 7D (5)

2010-03-01 | 東京レトロフォーカス別室

Canon EOS 7D / EF 135mmF2.8 USM /  F6.4 1/800sec. / ISO200 / (C)  Keita NAKAYAMA

Canon EOS 7D / EF 135mmF2.8 USM / F6.4 1/800sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

実家にカタナがあった。スズキのバイクではなく、日本刀である。父親が居合いの練習用にと購ったのだが、時を経ずして鑑賞刀と成り果てた。昭和男の風変わりな玩具はあいにくと家族に受け入れられず、不肖の息子もただの一度きり振っただけ。深紫の袋に収められ床の間の飾りと化した得物の、その後の行方は杳として知れない。

銃砲刀剣類にはまるで興味がない。とここで書いてしまうのも、それは我ながら嘘くさい。昔の金属カメラを賛美する心の奥底には、男の本能であるウェポンへの憧れが燻っている気がするからだ。それにカメラだって、使いようによっては、立派に人を傷つける道具になる。

いやほんとうに、写真は刃物より怖い。そう思うひとにとって、キヤノンEOSはどこか安心感のある造形かもしれない。どこにも鋭い角を持たないこのシリーズ特有のデザインは、一眼レフに特有の威圧感とは一線を画す温度感を漂わせ、機能を軟らかく包み込む。もともとEOSは「人に優しい」という、ある種使い古された惹句を思い出させるようなエルゴデザインの申し子なのだが、悪くすれば観る者にダルな印象も与えかねない。得物とは人に厳しいものであり、その厳しさとは刀剣の刃先のように鍛えられた金属が醸し出す精密感と同義なのだ。
そういう精密機械としての危険性を孕みつつ、しかしEOSの系譜はまるで頑に節を曲げることなく、もう二十年以上も続いている。他社のカメラシリーズがアイデンティティーの確立に腐心するなか、ひとりEOSだけは我が道を往く、という風情である。
だがその道のりは、いったいどこを目指してきたのか。

Canon EOS 7D / EF-S 15-85mmF3.5-5.6 USM / 15mm F5.6 1/100sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

Canon EOS 7D / EF-S 15-85mmF3.5-5.6 USM / 15mm F5.6 1/100sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

PhotoNAVI EOS 7D」の取材でお会いしたキヤノンの開発チームに、このカメラのデザインや使われている素材についてしつこく訊いたのは、僕がEOSというカメラの造形にいつも興味を引かれつつ、でもどこかでこちらの価値観とのすれ違いを感じていたからだった。価値観、という言い方がしっくりこなければ、カメラ観とか機械観と言い換えてもいい。
(この項続く)

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▲photo01:現行EFレンズ中で最古参の部類に入る135mmF2で撮影。といってもここ十年の製品だから、光学性能には何の不満もない(鏡胴デザインはちょっとアレだけどね)。
このカットは山奥の吊り橋で下の河原から撮った。EOS 7Dのセンサーサイズでは200mmを超える望遠になるので、ノートリで画面に綺麗に収まったのはちょっとした奇跡。ちなみにこのレンズは球面収差を意図的に発生させる「ソフトフォーカス機能」を持っているが、7Dとの組み合わせではフレアの出方がやや過剰と思えた。

▲photo02:撮影に入る前のオフショット。レンズは7Dと同時発売のEF-S 15-85ミリ。キットレンズ的な位置づけにもかかわらず物量が投入され、描写性能もたいへん高い(その分やや大柄で値段も張る)。画面の半分近くを反射面が占めるこういう条件でもハレっぽくならず、これはコーティングの優秀性というより鏡胴設計に手抜きがない証拠。左上の木立が流れているように見えるのはこの画角(広角端15mm=フルサイズ24mm相当)では画像が対角線方向に引っ張られるため。ピンが来ていれば気にならない。

Special thanks to ERIKO,

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