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Portraits (3) : メイキングセンス。by 中山慶太

Portraits (3)

2009-11-18 | 東京レトロフォーカス別室

Leica M5 / Voigtländer Nokton 35mm F1.4 S.C. /  F1.4 / 1/1000sec. / FUJICOLOR 100 / (C)  Keita NAKAYAMA

Leica M5 / Voigtländer Nokton 35mm F1.4 S.C. / F1.4 / 1/1000sec. / FUJICOLOR 100 / (C) Keita NAKAYAMA

前回と今回は、本来なら「2本のフォクトレンダー・ノクトン」と題してまとめるべきだった。でもまあ、どちらも短期間の試用にとどまったので、決定的なことは言えない。
前にも書いたけど、コシナ製フォクトレンダーレンズは、最初期の頃に比べて格段につくりが良くなった。これは鏡胴の仕上げにきちんと手間をかけたことが大きいのだろう。レンズ鏡胴のような“指先に訴える”部品を機械加工でつくる場合、微妙なアールなどをNC工作機器に頼りすぎない方が良いのだと思う。数値刻印だけは往年のレベル(効率の悪いエングレーヴマシンで加工していた)に及ばないが、これも最初期のレーザー彫刻に比べればずっとまともな出来だ。

ただしその鏡胴が、相変わらず往年のライカそのもののデザインであることには苦言を呈したい。確かにM型ライカに装着した時のマッチングは素晴らしいのだが、それはオリジナルの意匠に近いのだから当たり前。デザインには知的財産権というものがあるし、よしんばその権利が効力を失っていたとしても、今の日本のメーカーがそれをやるべきではないと思う。
まして、コシナはフォクトレンダーという「かつて、決して人真似をしなかった」ブランドを、ちゃんとお金を払って使っているのだ。意匠の復刻をするのなら、そちらの鏡胴デザインを範とすべきではなかったか。

まあ、このご時世にリーズナブルな値段で真っ当なレンズが手に入るだけでも、コシナには感謝すべきなのだろう。でも「メイドインジャパン」を誇れるカメラやレンズが減りつつある今だからこそ、優れた光学性能に相応しいオリジナリティのあるデザインを望みたい。大袈裟に言えば、それが写真文化を育てることにつながるはずだ。

もっとも、いちばん問題なのは、こういうことをきちんと書かない写真雑誌だろう。特に新聞社系の雑誌が目を瞑り続けるのはどうしたことか。かつてヤシカ製TLRが意匠権侵害でローライに提訴されたことを、もう忘れてしまったのだろうか。
リスペクトを捧げる相手へのオマージュは、光学性能で示せばじゅうぶんだし、意匠の模倣を「洒落が分かる」などと書くのは、文化に対する冒涜だと思うのだが、如何なものだろうか。

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▲photo:フォクトレンダー・ノクトン35mmF1.4。型番末尾のS.C.は反射防止膜が単層=シングルコート(正しくはモノコート)を意味し、マルチコート版とは違う暖かみのある色再現をする。これは手元にあるノクトン40mmとおなじ傾向で、このレンズの性格にはこの仕様が合っていると思う。
描写性能はほとんど文句のつけようが無い出来。過度にノスタルジックでもなく、またモダンな冷たさとも無縁。特にアウトフォーカス面の素直さは出色で、つい開放で撮りたくなる。でも背景をボカしすぎた写真というのは、35mmの画角には似合わないことが多い。この写真もあと2絞りくらい絞るべきだった。

Special thanks to MAYUMI.

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