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So What? : メイキングセンス。by 中山慶太

So What?

2009-08-14 | 東京レトロフォーカス別室

(C)  Keita NAKAYAMA

(C) Keita NAKAYAMA

「小さくて、上質」を目指してつくられたカメラを、デカくて無骨な写真機に変える方法。

こういうのは、思いついたときがいちばん愉しい。子供に復ったみたいにわくわくする。が、そこから撮影に至るまでの間に、期待値はどんどん目減りして、最後は苦笑いだけが残る。

話題のデジタル一眼に取り憑いた、いや勝手に取り付けた物品はVisoflex。好事家が「レフボックス」と呼ぶからくり仕掛けだ。本体はカメラボディの正面にあたる部分で、縮緬塗装仕上げのアルミダイカストの箱の中には、可動ミラーと焦点板が入っている。
撮影時にはこの上に、用途に合うファインダーアタッチメントを選び、装着する。上の写真は90度のアングルファインダー(ペンタプリズムを内蔵している)を載せた状態。載せた、と書くとワンタッチっぽいけど、実際の装着はそんなに楽チンではない。精度も強度も馬鹿が三つつくくらい正直に追求してつくられているため、組み上げた後は文字通り微動だにしない。その代償として、合体させるにはけっこうな力が必要なのだ。
本体とカメラボディの脱着には、ヴィゾ本体とファインダーを切り離さなければならない(理由は写真を眺めれば分かりますよね)のだけど、ロケ先で何度もそれをやる気にはとてもなれない。だからM型ライカでこれを使う場合、僕はヴィゾ専用のボディを別に用意していた。

ヴィゾはレンジファインダー搭載の名機、M型ライカを一眼レフ化するためにつくられた。なぜそんなものをつくったのかといえば、昔のライツ社は一眼レフをカタログに載せていなかったから。
「距離計連動機でも、一眼レフとおなじような撮影ができますよ」という説明は、たぶんさいしょは優越感120%だったはずだ。でも日本製の一眼レフに市場を奪われるにつれ、ヴィゾを勧めるライツ社営業担当氏の目線位置は、顧客の顔よりも低くなっていった。

写真のヴィゾはII型。最初のI型(バルナック時代のスクリューマウントに対応)に改良を加え、バヨネットのMマウントを備えた製品だ。M型ライカがたんなる懐古趣味ではなかった時代の製品だから、つくりも仕上げも素晴らしく上質。ヴィゾ愛好家の間では(というほどの数がいるのか?)このII型がいちばん人気だそうだけど、それも確かに肯ける。ヴィゾはこの後さらにミラーのクイックリターン化など機能を増設したIII型もつくられ、それが最終型となる。
レンズは通称「マクロエルマー」と呼ばれる65mmレンズヘッド、それとフォーカシング・ユニットOTZFO(電略記号)を合体させたもの。つまりカメラボディ以外に4つのパーツが組み合わせられており、これでようやく写真が撮れる。
ヴィゾは豊富なレンズやアクセサリーを含むシステム機器で、それらはライツ社がライカ社に変わったあたりから徐々に数を減らし、80年代半ばには完全に姿を消した。それを今さら引っ張り出して、さて何をしようというのか。

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