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FUJI FinePix X100(4) : メイキングセンス。by 中山慶太

FUJI FinePix X100(4)

2011-09-22 | 東京レトロフォーカス別室

FinePix X100 / Fujinon Super EBC 23mmF2 / F2 1/1000sec. / ISO200 / (C)  Keita NAKAYAMA

FinePix X100 / Fujinon Super EBC 23mmF2 / F2 1/1000sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

趣味のカメラ選びで、いちばん大切なポイントは何だろう。
答えはひとそれぞれではあろうけれど、要は「撮っていて愉しいこと」。それに尽きる気がする。
だとすれば、X100はじゅうぶんに合格だ。というか、これは今現在で最高の趣味カメラのひとつだと思う。新品で買えるカメラとしては、だが。

いやべつだん、見た目に惹かれてのことではない。このカメラのデザイナー氏は、僕のストライクゾーンからけっこう外れたコースを狙っているからだ。まあ人気のあるカメラだから、この意匠が「ど真ん中」というひとも多いのだろう。趣味の世界には多様性が必要なので、好みが分かれるのは結構なことである。

デザインの話はまた後でするとして、X100が愉しい理由は何か。これはもう、カメラをおでこにくっつけて撮れることに尽きる。ってまたそれかい、と言われそうだけど、やはりカメラは顔の位置で構えてナンボ。
それでレンズが撮り手の目の延長になることを、「被写体に威圧感を与える」として嫌うひともいるのだが、それは一眼レフの話だ。ライカのような、というか昔のファミリーカメラに多いビューファインダーなら、まるで気にならない。それでいて被写体の集中力も得られるのだから、これは願ってもないことだと思う。

FinePix X100 / Fujinon Super EBC 23mmF2 / F2 1/450sec. / ISO200 / (C)  Keita NAKAYAMA

FinePix X100 / Fujinon Super EBC 23mmF2 / F2 1/450sec. / ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

そうなのだ。両手を突き出して撮るデジカメ(コンデジ)スタイルというのは、どうしても撮られる側の集中力が散漫になるきらいがある。まあこれは人物写真に限っての話だけど、カメラを介してアイコンタクトをするには、レンズが撮り手の目から大きく外れないことが肝要なのだ。

もちろん、コンデジスタイルにも良い点はある。カメラ位置の自由度が高いことがそれで、背面液晶が確認できさえすれば(僕はノーファインダーは嫌いだ)、頭上でも足下でも、手が伸びる範囲ならどこででも構えられる。こんなことは、フィルムの時代ではまったく無理な芸当だった。

だから僕も、普段使いのコンデジでは、好き勝手な位置でカメラを構えている。でもX100でそれをやろうとは思わない。やって出来ないことはないけれど、このカメラはおでこにくっつけて撮ると、そう決めてしまった。付属のストラップがショボイので、あまり身体から離したくないということもあるけどね。

カメラをおでこに密着させて撮ることの利点がもうひとつ。これは誰もが思いつく通りで、ブレを最小限に止めることができる。しかもX100はミラーレス、ってそれはEVFを使う場合だけに名乗れるところだけど、もうひとつのカメラブレの原因であるシャッターショックもほとんど無い。X100はレンズシャッター機だから、レリーズ時の振動発生源がほとんど存在しないのだ。

(C)  Keita NAKAYAMA

(C) Keita NAKAYAMA

だから、このカメラはライカとは違う世界に属していて、撮っているときの感触は、あのレチナIIICによく似ている。傑作シャッターユニット、コンパーラピッドを積んだカメラのなかでも、とっておきに感触の良いカメラ。写りも最高で、でもあれは仕事カメラの対極にあるがゆえの名機だった。

自然に構えて自然に撮れる。たぶん、そういうところが趣味カメラの条件なのだろう。X100で仕事の写真を撮るなんて、もったいない。ただしこれは「使いたくても使えない(かもしれない)」ということの、皮肉な裏返しでもあるんだけど、その話は次回にて。

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▲photo01:新しいカメラが来たからと言って、久しぶりに友人のユウコ二号を呼び出す。「あ〜このカメラ、いいですねえ。欲しいなあ。値段は幾ら万円ですか」「これくらい」「げげげ、ちょっと無理かも」「まあ出世したら買いなさいな(と言いながら一枚撮る)。ほら写りも凄いだろ、逆光でこのコントラストで、しかも硬すぎない絶妙の描写。ほれほれ欲しいだろ」「凄いけど、アタシの目、白目っぽくないですか」「大丈夫、黒目は後で描いといてやるから」「……」
もちろんこの黒目は本人の自前です。
JPEG最大サイズ・最高画質で記録。ノートリ、絞り優先オート、フィルムシミュレーション=PROVIA。

▲photo02:ユウコ二号の「働く指先」。身体使って働く女の爪は、なんてフォトジェニックなんだろう。とか言いながら、フジノンレンズのボケ描写を試している。絞り開放、マクロモードの最短近くで、ピントは極薄。そのピント面から徐々に溶けていくアウトフォーカス面の美しいこと。近接補正を折り込まない設計のレンズなので、ピント面の解像感はいまひとつだが、こういう写真が撮れれば充分だろう。
JPEG最大サイズ・最高画質で記録。トリミング約90%、絞り優先オート、フィルムシミュレーション=PROVIA。

▲photo03:カメラをおでこにくっつければ、レンズは目の延長線になる。といっても、実際にはこんな構え方はしない。X100のファインダー倍率は100%からほど遠いので、両目を開けて撮るのは無理なのだ。愛用の「ケータイつきコンデジ」で撮影。X100との描写の差は歴然だけど、それは言わないことにしよう。こっちは電話かけられるし。

Special thanks to YUUKO YAMASHIRO.

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