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ディストーション(6) : メイキングセンス。by 中山慶太

ディストーション(6)

2009-05-15 | 東京レトロフォーカス別室

「正対する正午 #2」Leica M3 / Russar MP-2 20mmF5.6 / T400CN / (C) keita NAKAYAMA

「正対する正午 #2」Leica M3 / Russar MP-2 20mmF5.6 / T400CN / (C) keita NAKAYAMA

ファインダーは撮影者にとって、もうひとつの眼ともいうべき存在だ。だからこの窓が提供する視野には全幅の信頼を寄せたい。そう考える写真家は多いだろう。
だが一般的なファインダー(さいきん主流の電子ファインダーではなく光学ファインダー)は、複数のレンズを組み合わせてつくられている。ゆえに撮影レンズとおなじく、ここで歪みを生じる可能性はゼロではない、どころか歪んだ視野しか提供できないカメラはけっこう多いのだ。

視野が歪んだカメラというと、ヘキサーRFを思い出す。これは現代の技術でつくられたM型ライカというべき機種で、発売時にはかなり話題になった。僕も入手して使っていたけれど、手動と電動が混在した操作系にはちょっぴり違和感を覚えた(結局それが原因で手放した)ものの、レンズもボディも素晴らしい出来だったと思う。
いっぽうでこのカメラに異議を唱えるひともいた。なかでも「外側の視野枠が樽形に歪んでいる」ことを指摘する声はけっこう多く、これを理由にライカの優位性を喧伝する記事も目に付いたものだった。

確かに、おなじ倍率のファインダーを持つライカM6などは、外側の視野枠がぴしっと真っ直ぐで気持ちがいい。だから日本の技術はまだまだライカに及ばない、と雑誌記事をコピペする方も多かったようだ。
ところが、ヘキサーRFの設計者によれば「正直なのはこっちの方」なのだという。いわく、彼が設計したファインダーは視野全体に樽形の歪曲がある。これは28mmの画角に対応するファインダー系では、完全な補正がむつかしい。そこで視野枠も真っ正直に歪ませて描いた。見栄えは悪いが、確かに誠実なやり方だ。
対するライカはというと、おなじ歪みを抱えているにもかかわらず、それを無視して真っ直ぐの枠線にしてしまっているのだそうだ。つまりライカの28mm枠は「実質糸巻き型」の枠ということになる。

もちろんこれは特殊な例だし、そもそも距離計連動機の場合、撮影レンズを通して対象物を観るわけではないので、レンズの歪曲チェックには使えない。では撮影レンズを通して視野を得る一眼レフは「無歪み」かというと、どうもそうではないらしい。
完全に近い平面で構成された焦点板とプリズムが提供する視野が、なぜ歪むのか。それはこの形式のカメラでも、ファインダー系にレンズ(コンデンサーレンズや接眼レンズ)が挿入されるためだ。といっても、多くの一眼レフはこの部分の歪曲をほぼ完全に補正しているのだが、その精度を検証するのはレンズ単体のそれよりずっとむつかしい。

ことほどさように歪曲の悩みは尽きないのだった。

モデル:野口早依子

▲写真「正対する正午 #2」:対称型超広角レンズの始祖、ルサール20mm。歪曲をほぼ完璧に補正した(というより原理的に歪みが発生しない)素晴らしいレンズだが、この焦点域をレンジファインダー機で使うにはそれなりの苦労もある。特に外付けファインダーでは被写体との正対が難しい。レンズとファインダーの光軸ズレでパースが付きやすいからだ。

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