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docomo Pro Series L-03C(5) : メイキングセンス。by 中山慶太

docomo Pro Series L-03C(5)

2011-02-21 | 東京レトロフォーカス別室

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 /  6.3mm F3.1 1/190sec. ISO64  / (C)  Keita NAKAYAMA

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/190sec. ISO64 / (C) Keita NAKAYAMA

シンプルな道具を使っていると、自分のなかの欲が洗い流されていく。
なんだか悟りをひらいたみたいだけど、もちろん涅槃はまだまだ遠くにある。でも、いろんな欲が満たされない環境に身を置いていると、じきにそれに慣れてしまう。というか、いろいろ足りない世界の中から、自分がほんとうに欲しいものが浮かび上がってくる。ような気がする。

L-03Cが手元に来て三週間。まだ撮影の機会はそれほど多くないけれど、僕はけっこうこのカメラが気に入っている。いちばん好きなのは、操作が単純なところ。これはつまり、できないことが多いとも言える。

多機能を売りにするさいきんのデジタル機で序列をつくれば、このカメラはカーストの最底辺に近い。ただしデジタル映像の潮流は、このところ記録の品質よりもそれを加工する方向に向かっていて、すっぴんの女性もカメラが化粧をしてくれるらしい。
とはいえ、僕は「化粧は電車のなかじゃなくて、化粧室でやってね」という旧い人間なので、画像をカメラ内部で加工できますよ、と言われても「お気持ちだけ頂戴します」。いらない機能はいらないのである。

いっぽう、ふだんに趣味で使っている太古のカメラと比べるとどうか。これは流石にL-03Cの圧勝かと思えば、絞りとシャッター速度の組み合わせを自由に選べない、という制約がある。そりゃあさぞ不便だろうって?
いや、それが実はぜんぜん。なぜかといえば、このカメラは絞りをいじっても画像はあまり変わらないのだ。

まあそういうことは追々書いていくとして、要はこのカメラで撮った写真が「自分らしい写真になっているか」ということ。機能という名の煩悩が少なくなれば、目指すものにそれだけ近づけるはずだし、画質もある水準を満たしてさえいればイイんじゃないか。

と、そんなことを考えながら病室に見舞った母がひとこと。「病院食は飽きた、刺身が食べたい」ですと。

▲photo01:「祈りの窓」。早朝の電車の床が、射し込む光で教会の壁に見えた。
要素の少ない写真だが、カメラの画質を読み取るポイントはいろいろある。左下のシートの座面の質感、そこと暗部の境界線のエッジ処理(=シャープネス強調のかかり方)。床面に射し込む窓の光のグラデーション、ハイライトの飛び方。また暗部階調の再現性もよく分かる。床面の強い反射でハレーションも起きているようだ。フルサイズ換算約35ミリの広角端で撮影、背面液晶の「ライブヒストグラム」を参考にハイライトの飛びと暗部がバランスするよう、露出補正を入れている。

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 15.7mm F5.1 1/500sec. ISO64  / (C)  Keita NAKAYAMA

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 15.7mm F5.1 1/500sec. ISO64 / (C) Keita NAKAYAMA

▲photo02:「宙(そら)への階段」。実は大学病院の非常階段。
こういう絵柄の場合、垂直をどこで出すかは迷いどころ(っていうほど迷ってませんけど)。建築写真的に撮るなら階段の中心軸を基準にするのがお約束。建築物を見上げれば先細りのパースがつくから、こういう風に片端で垂直を出すと水平がどんどんズレていく。L-03Cの液晶には方眼のインポーズ機能があるので、画面のどこでも水平垂直が容易に出せる。とはいえ、お約束に縛られない方がいい場合もある。
なんとなくピントが甘く見えるのは、コントラストが低いため。後処理でシャープネス強調やコントラスト補正をすれば、ずっとシャッキリした写真になる。ただし気持ちのよさは半分以下に減るだろう。
3倍ズームは望遠側で歪曲を完全補正するタイプ。フルサイズ換算約87ミリで撮影。

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/45sec. ISO800  / (C)  Keita NAKAYAMA

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F3.1 1/45sec. ISO800 / (C) Keita NAKAYAMA

▲photo03:「不安の椅子」。待合室で、名前を呼ばれるのを待っている間に撮った。カメラを構えるのが憚れる場所なので、咎められたときの「これ、ケータイなんです」という言い訳を呟きながら。誰がどう見てもカメラだし、誰がどう見ても危ないひとである。
感度は手動選択でISO800。L-03Cのプログラムラインは低速シャッター域に縛りがあるようで、これより低い感度を選ぶと適正露出が得られなかった(たぶん何かやり方があると思う)。画面を拡大するとノイズはそれなりに見えるが、想定した鑑賞サイズで目立たなければ良しとすべき。やたらに拡大して騒ぐのは大人気ない。
こんな風にコントラストの低い条件で露出補正を軽く掛けると、ハイライトに調子を残したネガカラーっぽい画質もつくれる。シンプルなAE専用機でも、フィックス画面でじっくり撮れる場合はいろいろ試してみよう。フルサイズ換算約35ミリの広角端で撮影。

(この項続く)

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