docomo Pro Series L-03C(18)

2011-07-08 | 東京レトロフォーカス別室

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 /  6.3mm F7.8 1/320sec. ISO200  / (C)  Keita NAKAYAMA

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 6.3mm F7.8 1/320sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

この夏は、なるべく窓を開けて過ごすことにした。
きっかけはご推察の通りだが、今のところ特にストレスを感じていない。僕の住居は集合住宅に珍しく、四面に窓があるので、わずかな風さえあれば汗をかかずに済むのだ。これで西のベランダに葦簀(よしづ)を立てかけ、窓辺に風鈴のひとつも吊るせば、さらに快適に過ごせるだろう。

ストレスといえば、写真撮影でいちばんそれが溜まるのは、カメラ操作が思い通りにいかないときだ。
イライラする原因は、大まかに分けてふたつある。カメラの性能が充分でないか、または撮り手とカメラの相性が悪いか。どちらもよくある話だが、じつはどちらも誤解にもとづくことが多い。

ドコモL-03Cを半年ほど使ってみて、性能面での不満はさほど感じていない。画質については、僕の常用する感度域ではよくまとまっている。ISO800より上は「できれば使いたくない」のだが、これはフィルム写真でも事情はいっしょ。だから違和感がないのだろう。
フィルム(ネガカラー)に比べて、コントラストと彩度が高過ぎるのは困り者だけど、まあそれで自分の写真がまるで別物になってしまうようなら、それは「その程度の写真」ということだ。

いっぽうで不満が多いのは操作性。特に露出補正機能の使いにくさは、これまで何度も書いてきた通りで、思わず「設計したひと、写真撮ってますか」とカメラに質したくなる。ドコモに電話しても、誰も答えてくれないだろうけど。
どんな風に使いにくいかといえば、まずL-03Cはタッチパネルでソフトキーを呼び出す方式だから、操作に余分な時間がかかる。しかも操作はカメラを構えたままではスムーズにできず、いったん持ち直さなければいけない。これはスナップ機としては受け入れ難いところだ。

さらに問題なのは、呼び出したソフトキーが画面の左右幅いっぱいの白枠に収められたスライダーで(それ自体は操作しやすいのだが)、画面全体の約三分の一を占めていること。しかもそれがど真ん中に居座るので、いちばん見たい部分が大幅にケラレる。すなわち本機では「モニター画面を確認しながら補正量を決められる」というライブビューの利点が、ほとんどスポイルされているわけだ。

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 /  11.2mm F4.2 1/390sec. ISO200  / (C)  Keita NAKAYAMA

docomo L-03C / Pentax 3X Optical Zoom 6.3-18.9mm F3.1-5.6 / 11.2mm F4.2 1/390sec. ISO200 / (C) Keita NAKAYAMA

もちろん、この設計の意図は分かる。ドコモL-03Cのカメラ機能は「タッチパネルを使った操作性」がウリなのだ。つまりこの機種のインターフェイスは、「まずタッチパネルありき」で発想されている。別の言い方をすれば、「カメラの操作性より、機能の先進性をウリにする商品コンセプト」なのだろう。

まあ、今の世の中、僕みたいな使い方をするユーザーばかりではないはずなので、それも間違った判断とはいえない。要は、メーカーの想定したユーザーと自分がズレているだけの話。それが上に書いた「相性の悪さ」の原因なのだと思う。
とはいえ今の操作系は、先進イメージはあったとしても、それが洗練を伴わないことは確かである。

これを解決するには、既存のハードキーをふたつみっつこの操作に振り分ければいい。例えばケータイ機能の音量調節(アップダウンキー)と通話オフスイッチだ。
左右の指でキーを同時に押して、補正値(バーグラフまたは数値)を画面端に表示させ、設定は音量調節と同様にアップダウンキーを使うようにすれば、カメラを保持したままスムーズに補正がかけられる。これなら咄嗟のチャンスにも強くなるだろう。

と、ここまで書いたところで、このカメラの操作系が今のようになった理由に思い当たった。それは「カメラモジュールと電話機能は、それぞれ別の会社が開発した」ということ。つまりカメラをつくった三洋電機には、通話用のハードキーを操作に振り分ける発想というより、それを設計に組み込む自由がなかったのではないか。

まあ、それも推測の話。真相は薮の中なのだけど、L-03Cという道具のコンセプトに賛同する僕としては、これはいかにも勿体ないと思う。開発最後の取りまとめに、誰かひとりでも本気で写真を撮るひとがいたら、こんなことにはならなかったはずなのだ。

(この項続く)

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▲photo01:露出補正の目的はいろいろだが、コンデジでは「限られたダイナミックレンジを有効に使う」ためにマイナスの補正をかけることが多い。これは白飛びよりも黒潰れの方が後処理で救済しやすいためであり、またプラス補正はフィルムのようなスムーズな効果が得られないこともある。
この写真では人物の白飛びをぎりぎりで回避するよう補正値を決めている。黒潰れ部の階調はまだ掘り出せるのだが、こういう画面構成なら潰して締めた方がいい。
またコンデジの弱点である「被写界深度の深さ」をカバーするため、人物と背景に植物の影を重ねた。最初からボケているものを写し込めば、人物撮影に適した画面効果を擬似的に得ることができる。フルサイズ換算約35ミリの広角端で撮影。

▲photo02:上の写真とは別の考え方で、白飛びを有効に使ってみた。カメラの画質性能を重視するあまり、白飛びに拒否反応を示すひとも多いようだが、要は「トーンを与えたい部分に必要なトーンを与える」こと。その目的のために露出補正を使うのだから、カメラもそれに応えて欲しいと思う。
ちなみにL-03Cの露出補正は、カメラ機能をオフにするたびにリセットがかかる。これは考え方の問題で、この方がケアレスミスは減らせる。反面、補正値がホールドされる方を好むひと(後処理を前提にアンダー目の露出で撮るひと)にとっては「癪の種」だろう。
僕はリセットしてもらって構わない派だが、それは補正操作がやりやすいカメラの話。特にL-03Cでは、節電目的でカメラ機能のオンオフを頻繁に行うので、光の条件が一定でもいちいち再設定しないといけない。カメラを起動したまま液晶モニタをオフにするスタンバイモードがあれば、と思う。
フルサイズ換算約62ミリで撮影。

制作協力:脊山麻理子

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